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ディズニーの編集で台無し…映画『天空の城ラピュタ』悪名高い英語吹き替え版の歴史を解説。宮崎駿のメッセージが別のものに?

text by 編集部

洋画に吹替版があるように、日本映画を海外で楽しんでもらう場合も吹替は必須となる。しかし、残念ながら吹替によってオリジナル版の魅力が損なわれてしまう場合も。今回は、米メディアColliderから、スタジオジブリの名作『天空の城ラピュタ』(1986)がディズニーに改悪された例を紹介しよう。

映画『天空の城ラピュタ』吹替え版でディズニーが改悪?

『天空の城ラピュタ』シータとパズーの出会いのシーン© 1986 Studio Ghibli
© 1986 Studio Ghibli

映画の吹き替えには、あらゆる世代の観客が母国語で映画を鑑賞できたり、今まで見逃していた映画を気軽に楽しめたりと、さまざまなメリットがある。

しかし、こういったメリットとは裏腹に、意訳や誤訳によって作品における重要な部分が失われ、オリジナルと全く異なる映画になってしまう場合も時にはある。

例えば、ディズニーが1998年に制作した『天空の城ラピュタ』の吹き替えがそうだ。

本作は、宮崎駿によるアニメーション映画で、見習い機械工の少年パズーと空から落ちてきた少女シータが伝説の空中都市「ラピュタ」を探しに旅をする冒険物語。シータが持つ飛行石をめぐる熱き攻防や、現代社会の至上命題である自然とテクノロジーなどの深遠なテーマ性が最大の見所だ。

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