原作のソフィーは実は魔法使い?
映画と原作の最大の違いは、ヒロインのソフィーが魔法の能力を持っていることだろう。
原作に登場するソフィーは、「言葉で命を吹き込む魔法」を操れる。物に命を吹き込み、話しかけることで、人や物の行動に大きな影響を与えるのだ。原作ではこのソフィーの魔法についてあまり説明されておらず、ソフィー自身もあまり使いこなせないように描かれている。
一方、映画では、ソフィーが魔法を使えることが明言されない。尺が限られているため、内容を詰め込み過ぎると観客が重要なメッセージを受け取れなくなる懸念があるからだ。また、本作の場合は、ゾフィーが魔法を使えることで逆にハウルの存在が薄れてしまったり、ボロボロになったハウルを救うことが簡単に思われたりしかねない。
とはいえ、映画でも、彼女が弱気になったカルシファーをやる気にさせたり、城に突っ込んだ飛行機を動かしたりといった描写が見られる。この設定は映画内でも生きているのだ。