囁く悪魔 村木重雄(演:小日向文世)
全国各地を転々としながら悪魔崇拝に従って若い女性の殺害を繰り返す悪魔崇拝者。殺した女性の片耳だけピアスを奪いコレクションとして保管している。
彼が登場したのはS4「密やかなる連続殺人」「悪魔の囁き」の前後編。同一県内では殺人をしない事、殺害方法を毎回変える事、この2つを徹底する事で警察が県を跨いだら情報共有が疎かになるのを利用して連続殺人だと勘付かれないように17年間で7件の殺人を行っていた。
特命係に犯行を暴かれた村木は「Vim patior…」(ラテン語で”暴力・圧迫に耐えている”)と呟きながら屋上から身を投げて自殺する。だが彼の恐ろしさはそこで終わらなかった。
精神科に通っていた村木は生前に医師の助手である安斉直太郎(演:高橋一生)を洗脳して自身の後継者にしていた。安斉は特命係に逮捕されるが、その後S6「悪魔への復讐殺人」で遺族により殺害されてしまう。
そんな村木の魅力は”完成された狂気”。
最初に記載した内田美咲女医や「悪は人を魅了する」という台詞もここで登場した。また村木は妻から苛烈な暴力を振るわれ支配されるような歪な関係性でそれを受け入れていたが、心の底ではそんな妻を支配したいと考えており、なので魔除けの意味合いがあると言われているピアスを被害者から奪い、それを妻へプレゼントする事で支配欲を満たしていた。
しかし村木は自分自身を殺人衝動という不治の病に侵された者だと信じて疑わず、空気を吸うように、食事を取るように、性行為をするように、ただ殺人を”趣味”として行い続けた。村木が安斉を後継者へと洗脳していく様子は小日向氏と高橋氏の演技も相まって我々視聴者も魅了されてしまう。