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平成の毒婦 遠峰小夜子(演:西田尚美)

西田尚美【Getty Images】
西田尚美Getty Images

黒真珠の養殖詐欺を行い、返金を迫った被害者3名を殺害した”平成の毒婦”と呼称されている死刑囚。初登場時点で既に逮捕され刑務所に入っているが、本人は殺害を否定し控訴している。人の顔を一度見たら忘れない「相貌認識能力」を持っており、それを利用し人を意のままに動かす事に愉悦を見出している。

彼女は3度登場。初登場はS17「ブラックパールの女」

連城弁護士(演:松尾諭)に依頼し優秀な刑事である特命係へ接触し、とある科学者の事故死を殺人だと伝える。結果遠峰の言う通り科学者は殺されており、特命係は犯人を逮捕した。遠峰の目的は刑務所の中でも人間(特命係)を意のままに動かす事が出来るのかという実験を行っていたのである。

2度目の登場はS18「いびつな真珠の女」

シンパである連続殺人犯を利用し、冠城亘にとって大事な女性である新崎を誘拐。監禁場所のヒントを小出しにて足しげく通わせる事で、冠城をマインドコントロールしようとする。右京の介入もあり新崎は無事に救出されるが、殺人犯が自殺した事で遠峰の関与を裏付ける事はできず、また他に協力者がいる事を示唆され物語は幕を閉じる。

3度目の登場はS19「同日同刻」

2年前に階段から妊婦が突き落とされ死亡した事件で男性が自首してくる。しかし遠峰は同日同刻に男性を全く違う現場で目撃したと特命係へ証言。捜査の結果、男性は別場所で強盗殺人を起こしており、その発覚を恐れて過失致死である本事件に嘘の自首をしていた。

そしてまた妊婦の件は旦那の浮気を見て階段から足を滑らせた事故だという事も判明。旦那は浮気相手の女性に脅され、周囲からのバッシングを恐れて真実を言えなかった。浮気相手の女性は遠峰に憧れる信者で、遠峰のように人を操れている事を喜んでいたが、脅迫で起訴され破滅した。遠峰の目的は当初から信者であり、協力者であっても自分を理解した気になっている事を不愉快に感じ、破滅に追いやったのである。

そんな遠峰の魅力は”純粋な邪悪”

彼女は幼少期に両親を不仲にさせ、母親を父親に殺させている。それを後悔している訳でもなく、喧騒を聞いても殺害現場を見ても笑い続け、現在もそれを思い出して笑うという生粋のサイコパスである。同じく他者を相手に影響力を与える凶悪犯でも、村木は洗脳して自分の仲間を増やすのが目的で、後述する南井は自身に依存させ目的を遂行させようとする。しかし遠峰は彼等とは全く違い、ゲームの駒のように人を誘導し操る事そのものを楽しんでいる。

目的と手段が完全に入れ替わっている。殺人を含めた犯罪すらも人を操る為の手段の一つでしかないのだ。この破綻した邪悪さが遠峰の魅力であると思う。

遠峰は3年間登場していないが、今後再登場した際には同じく刑務所内なのかそれとも天才弁護士連城の手腕で自由の身になるのか…。どちらにせよ右京から「彼女は危険です。刑務所にいてもなお…」と評価を受けている遠峰なので、どのような状況でも特命係を苦しめる事は間違いない。また亀山はまだ遠峰と面識が無いが、冠城すら操られる中で直情型かつ単純明快な亀山はどう対処するのか邂逅が楽しみだ。

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