もののけ姫(サン)の名前の由来は数字の「3」
物の怪(もののけ)とは、日本の民間伝承では、人間に憑いて病気にさせたり、死に至らせる死霊・生き霊・妖怪のことだ。
人間たちに山に捨てられた過去を持つサンは、人間への復讐心を中核に据えたキャラクターである。自然を破壊する人間に対する憎悪や、山犬のアイデンティティーを持つ一方、自分自身の人間性に対する嫌悪が、彼女を突き動かす動力となっている。
本作で登場するサンは、復讐の霊である怨霊と考えることもできるだろう。
ちなみに、本作『もののけ姫』の元になったのは、1980年頃に宮崎駿が描いたアニメ企画案『もののけ姫』。徳間書店より絵本も出版されているのだが、本作とは内容が大きく異なる。
元の『もののけ姫』は、大山猫と、大山猫に嫁に出された”三番目のお姫様”という意味の「三の姫(さんのひめ)」が、ともに暮らして心を通わせるようになる物語なのだが、サンの名前の由来は、この「三の姫」だと宮崎駿は語っている。