古くから日本に根付く概念・依代(よりしろ)
神道における日本の伝統的な概念である「依代(よりしろ)」とは、カミの器として機能する物、場所、人のことを指し、神霊が依り憑く(よりつく)対象物のことを言う。
『もののけ姫』にはこの概念を表すものがたくさん登場するが、その中でも主人公のアシタカがその最たる例である。
村を襲ったタタリ神を退治した際、右腕に死の呪いを受けたアシタカは、その後、人や魔物と戦う際、自身の殺意や憎悪に呼応して、自らの命を蝕むのと引き換えに超人的な力を発揮する。
アシタカに取り憑いた呪いが、呪いを解かなければアシタカ本体を破壊する、と脅すのだ。