不法移民の少年がプレミアリーグに入団!?
ベッカム、ジダン、ロナウドの登場シーンにも注目
『GOAL! ゴール!』(2005)
原題:Goal!
製作国:イギリス
監督:ダニー・キャノン
脚本:ディック・クレメント、イアン・ラ・フレネ
キャスト:クノ・ベッカー、アレッサンドロ・ニヴォラ、デビッド・ベッカム、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド
【作品内容】
主人公は、困窮家庭に育ち、アメリカに不法入国したメキシコ人少年・サンティアゴ。イングランド・プレミアリーグの古豪であるニューカッスル・ユナイテッドの元選手にサッカーの才能を見出され、スカウトされたのちに、父親の反対を振り切って渡英。プレミアリーグ最終戦に出場し、優勝を決定付けるゴールを決めるというシンデレラストーリー。
FIFA(国際サッカー連盟)公認映画ということもあり、ベッカム、ジダン、ラウル、シアラーなど、当時のスター選手が出演していることも大きな見どころの一つだ。
呼吸器疾患を抱え、吸入器が必需品であるサンティアゴだったが、入団テスト直前に吸入器を踏み潰され、結果を残すことができず、「一度は戦力外通告を受ける。しかしその後、その才能を評価され、首の皮一枚、クラブへの残留を許される。
不仲だった父親の死にも帰国せず、練習を続け、レギュラーの座をつかんだサンティアゴ。フリーキックを決めチームを優勝に導き、後になって、死んだ父親が生前、その試合をテレビで誇らしげに応援していたことを知る。
もちろん、この奇跡的なストーリーは、サンティアゴ自身の努力と才能だけによってもたらされたわけではなく、彼をスカウトしたグレンや、看護師の恋人ロズ、そして離れながらも固い絆で結ばれた家族といった周囲の人々との関係も重要であることが垣間見える。
スポーツ映画の中でも王道のサクセスストーリーだが、世界的有名クラブであるマンチェスター・ユナイテッドでもリバプールでもなく、ローカルなクラブである「ニューカッスル」を舞台にしているという点に、不思議なリアリズムを感じさせ、感情移入しやすい作品だ。