なぜ無冠…?ディズニーがオスカーを獲得できない驚きのワケ。”ビッグ5”で唯一アカデミー作品賞を獲得出来ていない背景を解説
text by 編集部
意外なことに、ディズニーは米国の“ビッグ5 ”と呼ばれる5大スタジオの中で唯一、 作品賞を獲得したことがない。その原因としては映画配給の開始が遅かったことや、ファミリー向けのジャンルが考えられるが、では実際のところ、なぜディズニーが作品賞を受賞できていないのか。その詳細を米Colliderを参考にご紹介していく。
5大映画スタジオで唯一アカデミー受賞経験なしのディズニー
現在北米では、数え切れない程多くの映画スタジオや組合組織などが、映画館やメディアでのストリーミング配信にて映画の配信を担っている。
「A24」「Well Go USA Entertainment」「Freestyle Releasing」など山々と存在するスタジオの中でも“ビッグ5”と呼ばれるアメリカの5大映画スタジオがある。
この“ビッグ5”は米国内で最も大きな権力と歴史的影響力を持つ5つの巨大映画スタジオだ。
それは誰しも聞き覚えのある「ユニバーサル・ピクチャーズ」「パラマウント・ピクチャーズ」「ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント」「ワーナー・ブラザース」「ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ」の5つである。
実のところ、このビッグ5は1920年代からその数に変動が起きている。
米AmazonのMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)買収や、ウォルト・ディズニー・スタジオの20世紀フォックス買収までは、このグループはビッグ6やビッグ7とも呼ばれていたのだ。
そんなビッグ5と呼ばれる5社には、多くの共通点が見られる。
例えば、年間興行収入の絶大な数字や、5社全てが、テレビ、ビデオゲーム、ストリーミング事業と共に存在し、現在ではこれらの事業は巨大な企業の歯車の一部にすぎないというその構造である。
しかしこの5つの映画スタジオには共通しない点もある。それはアカデミー賞で最も重要な部門と言われる“作品賞の受賞”についてだ。
驚くことにビッグ5のひとつのスタジオを除けば、他全てのスタジオは作品賞の受賞経験がある。「ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ」は、米国の巨大映画スタジオの中で、その知名度を持ちながら唯一、作品賞を受賞したことのない映画スタジオなのだ。