さまざまなトラブルを巻き起こす“諸悪の根源“
●チャン・ドクス(ホ・ソンテ)→古田新太
大金目当てにさまざまなバックグラウンドの人が参加しているイカゲームだが、中でも最も粗暴なキャラクターがチャン・ドクスだろう。
首元にいかついヘビの刺青が入っている彼は、元ヤクザで、暴力団の金に手を出してしまい組織から追われる身に。一攫千金を狙おうと『イカゲーム』に参加している。
まさに絵に描いたようなクズ野郎だが、ゲーム中も他の参加者の食事を横取りして挙句の果てに殺したり、ミニョたちと徒党を組んでギフンたちを襲撃したりと、とにかく手に負えない人物として描かれている。
ドクスを演じるのは、ホ・ソンテ。LG電子の海外営業部から転身した異色の俳優だ。チャン・グンソク主演のクライムサスペンス『餌〈ミッキ〉』(2023)では、主人公と敵対する伝説的な詐欺師を演じるなど、「悪役のマエストロ」と呼ばれているソンテ。『イカゲーム』では、体重を20㎏近く増量し、弱肉強食のサバンナの「百獣の王」を演じている。
もし『イカゲーム』を日本でリメイクするなら、ドクス役は古田新太がいいのではないだろうか。『俺のスカート、どこ行った?』(2019)の女装家の教師など、近年はアクの強い役を演じることが多い古田だが、よくよくみるとかなりのコワモテで、恰幅も良い。そして何より、ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(2019)を舞台化した『パラサイト』では、主演を張っている。古田が無表情で演じるドクスをぜひ見てみたいものだ。