ギャグパートがとにかく笑える…。
各キャラクターの雰囲気も原作通り!!
『銀魂』(2017)
『銀魂2 掟は破るためにこそある』(2018)
監督:福田雄一
原作:空知英秋
キャスト
坂田銀時:小栗旬
志村新八:菅田将暉
神楽:橋本環奈
近藤勲:中村勘九郎
土方十四郎:柳楽優弥
沖田総悟:吉沢亮
【作品内容】
実写版『銀魂』シリーズは全3作あるが、ここでは一作目と、続編の『銀魂2 掟は破るためにこそある』の2作にフォーカスして、魅力を解説する。
これほどまでに原作の雰囲気を活かしながら、実写映画ならではの世界観を表現した映画も珍しい。その肝は“ギャグパート”にある。
一般的に、原作漫画における“ギャグパート”は、アニメ化でもその再現が難しく、生身の俳優が演じる場合には、なおさらハードルが上がるものである。(一般人がお笑い芸人のギャグを日常会話で使ってもサムいことになるのと、類比できるかもしれない)
しかし、今作の俳優陣はその高いハードルを、恐るべき演技力・表現力で、クリアーしている。もちろん、彼らの卓越された技術は神がかり的なものだが、監督・福田雄一の手腕も大きいと見られる。
福田監督は『逆境ナイン』といった過去作品にも見られるように、ギャグ要素が強いコミックを実写映画化することに長けており、『銀魂』においても、その辣腕ぶりをこの上なく見せつけているのだ。
スリリングなシーンとギャグパートとの落差、スピード感溢れる映像感覚は、観ていて心地よい。俳優陣の豪華さだけではなく、「実写化により、何を表現したいのかが明確である」という点で、他の漫画実写化作品よりも頭一つ飛びぬけた完成度を誇る作品である。