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『ドラゴンボール』未回収の伏線は…? モヤモヤする設定5選。掘れば掘るほど謎が深まるセリフや展開を徹底解説

text by ZAKKY

2024年3月1日に惜しまれながらもこの世を去った天才漫画家・鳥山明。その代表作『ドラゴンボール』は後続の漫画家たちの常識を作り、伝説の漫画となった。しかし、物語が進むにつれ、最初の設定とは異なる展開になっている描写が多数ある。今回は、鳥山先生も忘れていそうな設定やセリフについて解説する。(文・ZAKKY)

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「かまわん、そのうち生えてくる」と言っていたのに…。

ベジータの尻尾がなくなった件

ドラゴンボール
ドラゴンボールGetty Images

ベジータは「惑星ベジータ」の名を冠する戦闘民族サイヤ人の王子。

サイヤ人には尻尾が生えており、満月を見ると尻尾に反応し、大猿化するという特性を持っている。そして、地球で育った主人公・孫悟空は、少年期に満月を見て何度か大猿化している。

悟空が青年になった以降の「サイヤ人襲来編」にて、実は悟空がサイヤ人であったことが判明。それが大猿になる原因であるとされた。鳥山明氏は、それ以前の「ピッコロ大魔王編」にて、物語を終了させる予定だったとのこと。しかし、続行したことにより悟空の出生を描くことになり、非常に高度な後付け設定を捻り出したというわけだ。

ベジータと相棒ナッパが地球侵略を目論む「サイヤ人襲来編」では、悟空の息子である悟飯に加え、ベジータも大猿化して、大暴れをするシーンが描かれる。サイヤ人の本領発揮である。

ベジータに至っては繰り出したエネルギー弾を上空に飛ばし、伝説の「弾けて混ざれ!」発言により、自ら満月を作り大猿になるという、離れ業を成し遂げる。ちなみにこの時点で、悟空は神様の力により、また悟飯はピッコロの手により、尻尾が生えなくなるという設定となっていた。

このエピソードでベジータは、悟空たちとの最初の闘いにおいて尻尾を切られるが、他の惑星に帰還後、ボロボロの肉体を回復させる。医師のような宇宙人に「尻尾は再生できませんでした」と伝えられ、「かまわん、そのうち生えてくる」と発言。少年期の悟空も、尻尾を一度切られているが、天下一武道会の最中に突然生えてきたので、そういうシーンがベジータにもあるかと筆者は思っていたものだが、その後、生えてくることはなかった。

結局、なぜベジータに尻尾が生えなくなったのか?

あくまで筆者の持論だが、スーパーサイヤ人への覚醒などを経て、もはや大猿になる必要がなくなったことが大きな要因に思われる。鳥山明氏も邪魔な設定として排除したのではないだろうか(現に、その後登場するベジータの息子であるトランクスも生えていない)。

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