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回を追うごとに“キャラクターの死の重み”が希薄化?

ナメック星のドラゴンボール、何回でも人を復活させられる問題

ドラゴンボール
ドラゴンボールGetty Images

地球のドラゴンボールは、ルール上、同じ人物を生き返らせるのはたった1度である。しかし、ナメック星のドラゴンボールは、何度でも可能である。

事実、クリリンは「ピッコロ大魔王編」で一度ドラゴンボールの効力により生き返った。その後フリーザに再び惨殺されるが、本場ナメック星のドラゴンボールによる神龍「ポルンガ」によって復活する。

さらに、「魔人ブウ編」で3度目の死亡を果たすクリリンだが、その際にもナメック星のドラゴンボールを使用している(「いや、クリリン死にすぎだろ!」というツッコミは、今回スルーさせていただく)。

「よかった~!」と、まずは、胸を撫で下ろした読者たちだが、「ちょっと待てよ」と言わせていただく。フリーザにクリリンを殺され、もう生き返れないという現実がもたらす悲しみと怒りによって悟空が初めてスーパーサイヤ人に覚醒した超絶名シーンの感動は、一体何だったのかと。

あの時、読者が悟空と同じくらい感じたであろう胸が痛むほどの悲しみと怒りを返してくれ! と、そのご都合主義には賛否が分かれたものだ。

ちなみに、その後、ナメック星人の少年・デンデが、地球の神に就任し、地球のドラゴンボールを作り直す。これにより地球のドラゴンボールも、何度でも死者を復活させられるという設定となった。

そして、ベジータが人造人間セルに息子・トランクスを殺害された際に激昂したシーンも、「どうせ、ドラゴンボールで生き返るんだから、ええやん、もう!」と、世界中のファンたちは総ツッコミをしたものだ。

また、今作品ではあの世の世界も描かれるが、物語初期には、悟空の育ての親である孫悟飯が「あの世もピチピチギャルがいて、楽しい」などと発言しており、死の重みがあまり感じられない。なんにせよ、ドラゴンボール自体の設定変更により、キャラクターの死に対する悲壮感はますます薄くなっていったのだった。

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