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ベリーショートで”のだめ”のイメージを一新

『ラスト・フレンズ』上野樹里(岸本瑠可役)

上野樹里
上野樹里Getty Images

放送期間:2008年4月10日~6月19日
放送時間:木曜22:00~22:54
放送局:フジテレビ系
脚本:浅野妙子
最高視聴率:22.8%
キャスト:長澤まさみ、瑛太、水川あさみ、上野樹里、山崎樹範、西原亜希、倍賞美津子、錦戸亮、田中哲司、平田満、朝加真由美

【作品内容】

美容室のアシスタントをしている藍田美知留(長澤まさみ)は、恋人の及川宗佑(錦戸亮)と同棲を始めるも、宗佑から度重なるDV(ドメスティックバイオレンス)を受ける。追い詰められ憔悴した美知留は、親友である岸本瑠可(上野樹里)の暮らすシェアハウスに移る事を決断する。

【注目ポイント】

当時、社会問題として顕在化してきたDV(ドメスティックバイオレンス)やセックスレス、性同一性障害などに悩む人々がシェアハウスに集まり、共同生活を通して、人と人との関わりの難しさと大切さを学びながら悩みを乗り越え、自分らしく前向きに日々を懸命に生きていく姿をリアルに描く青春ストーリー。

物語は妊娠した主人公の藍田美知留(長澤まさみ)が、小さな港町の堤防に立つところから始まる。そして、美知留がシェアハウスで暮らした日々を振り返る回想の形でストーリーが紡がれていく。

上野樹里が演じたのは、美知留の同級生で、一流モトクロス選手でもある岸本瑠可。男勝りな一方、シェアハウスの住人の1人として周りを気遣うなど優しい面もある人物だ。美知留が同棲中の及川宗佑(錦戸亮)からのDVに悩まされているのを見て、シェアハウスに引き込んだいきさつもあった。

そんな瑠可は人知れぬ悩みを抱えていた。彼女は性同一性障害(劇中での医師の見解では性別違和症候群)であり、美知留に対して、友情以上の思いを抱いていた。

他方では、シェアハウスの住人で、性的虐待によるトラウマによってセックス恐怖症の水島タケル(瑛太)を信頼できる「友人」として、自らの悩みを打ち明けようとするとするも、タケルから告白されたことで、思いとどまる。

思い悩んだ結果シェアハウスを出てタケルには手紙を送ったが、それを読んだタケルの説得により、シェアハウスに戻って美知留を支えることを決意した。

上野は『のだめカンタービレ』(2006・フジテレビ系)で主役を演じ、既に人気俳優の仲間入りを果たしていたが、本作の出演にあたり、髪形をベリーショートに刈り込み、ボーイッシュな風貌に変身。「のだめ」のイメージを一変させた。

さらに、性同一性障害で親友への想いや自身自身の在り方への葛藤に苦しむ繊細な役を見事に演じ、特に女性視聴者からの支持を受けた。主人公を演じる長澤まさみを守る立場にありながらも、自らも輝きを見せた“ハマり役”だったといえよう。

芸達者が多く揃った本作において、上野の演技はとりわけ高く評価され、「ザテレビジョンドラマアカデミー」や「TV LIFE 年間ドラマ大賞」など、その年のドラマ賞の多くで助演女優賞を獲得。その高い演技力を改めて世間に知らしめた。

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