古き良き時代の浅草が蘇る
劇団ひとりとタッグを組んだ感動作
『青天の霹靂』(2014)
監督:劇団ひとり
原作:劇団ひとり
脚本:劇団ひとり、橋部敦子
出演:大泉洋、柴咲コウ、劇団ひとり
【作品内容】
主人公は落ち目のマジシャン・春夫(大泉洋)。夢に挫折し、生きることを諦めようとしていた矢先、突然、40年前にタイムスリップ。生き別れたはずの両親と出会い、自身の出生の秘密が明かになっていく。
【注目ポイント】
人気芸人・劇団ひとりが原作・脚本・監督の 3役を務めた、SF要素の強いヒューマンドラマ。主役を演じた大泉は、スプーン曲げをはじめとした、鮮やかなマジックを披露。春夫の相方であり、父である正太郎を演じる劇団ひとりとの丁々発止のやり取りも見どころだ。
春夫と正太郎は、コンビで喧嘩をしながらマジックをするという芸を、劇場の支配人から提案される。舞台上での2人の掛け合いは、ネタとして完成されており、腹を抱えて笑うことができる。大泉洋&劇団ひとりの芸達者ぶりが存分に発揮された名シーンだ。
また、脇を固めるサブキャスト(その多くは昭和芸人を演じている)が織りなす、人情味あふれる浅草界隈の描写も魅力的。ノスタルジーを誘う描写の数々は、観る者に「この時代に育ってみたかったな」と思わせる力がこもっている。