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大河ドラマ史上もっとも演技が上手かった主演俳優は? 最高の主役5選。鳥肌が立つほど凄まじい…歴史に残る名演をセレクト

text by 寺島武志

毎年、誰が主演を務めるのか大きく期待される大河ドラマ。歴代の大河ドラマで主演を務めた役者も、大きなプレッシャーや難題に打ち勝ち、1年間1人の偉人の生涯を演じきるのだ。その姿に視聴者は感動し、賛辞を送る。そこで今回は、歴代の大河ドラマで主演を務めたベスト俳優を5人セレクトして紹介する。(文・寺島武志)

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文武両道を地で行く名演で俳優としての評価を不動のものにした

岡田准一『軍師官兵衛』

岡田准一【本人のInstagramより】
岡田准一本人のInstagramより

放送期間:2014年1月5日~12月21日
脚本:前川洋一
他キャスト:中谷美紀、松坂桃李、柴田恭兵、竜雷太、戸田菜穂、高畑充希、濱田岳、速水もこみち、高橋一生、春風亭昇太、竹中直人、黒木瞳、二階堂ふみ、谷原章介、田中圭、寺尾聰、東幹久、片岡鶴太郎、高岡早紀、江口洋介、内田有紀、春風亭小朝、田中哲司、吹越満、伊武雅刀

【作品内容】

戦国時代の三英傑(信長・秀吉・家康)に一目置かれるも、その才気で警戒心を煽り、「次の天下を狙う男」とあの秀吉をも恐れさせた希代の天才軍師・黒田官兵衛。群雄割拠の戦国を生き抜き、“生き残りの達人”とたたえられた官兵衛の生涯をダイナミックに描いている。

【注目ポイント】

乱世をしたたかに生き抜き、“生き残りの達人”と讃えられた黒田官兵衛。彼を演じたのは、V6随一の人気を誇る岡田准一だ。

V6のメンバー最年少ながらも、トップクラスの人気を誇り、演技経験も豊富な岡田。本作では、15歳から亡くなった59歳(※数え年)まで演じ切っているが、不自然さは全くなく、官兵衛の父・職隆役の柴田恭兵が絶賛を惜しまなかったほどの演技を披露している。

また、引き出しの多さも岡田の演技の魅力だろう。主人公の官兵衛は、33歳の時、謀反を起こした織田信長の家臣・荒木村重に1年もの間地下牢に幽閉されており、足が不自由なってしまう(※諸説あり)。しかし官兵衛は、戦えない身体になったことをきっかけに、世の中の空気を読む感性と頭脳を生かして暗躍する道を選ぶ。

ブラジリアン柔術においてプロ並みの実力を誇るなど、圧倒的な身体能力で鳴らす岡田。しかし本作では、アクションではなく、どちらかというと落ち着いた演技を披露しており、「稀代の知将」を説得力豊かに演じきっている。

なお、岡田が演じる官兵衛は、放映当時、競争社会で生き抜くビジネスマンの教訓としても大きな注目を集めた。特に「謀は密なりをもってよしとする(戦略は秘密にして進めるのが賢明)」、「兵は詭道なり(戦争とは騙し合い”を意味する)」などの名ゼリフは、現代のビジネスにも通じる格言として話題となった。

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