役とともに成長していく赤楚衛二が見せる変化
『Re:リベンジ』の海斗は、これまで赤楚が演じてきた男性たちとは少々タイプが異なる。父・智信(光石研)の葬儀の日に何者かに襲われて意識を失い、5ヶ月後に目覚めた時には仕事も恋人も失っていた海斗。
父が大事にしていた天堂記念病院も権力を欲する者たちの欲望に侵食されかけていることを知った海斗の瞳に、復讐心が宿る。赤楚が醸し出すダークな雰囲気にまず驚いた。
一方で、海斗は元理事長の息子というだけで何の力も持ち合わせていない。週刊誌の記者ゆえに勘が鋭く洞察力も高いが、あと一歩のところで詰めが甘く、智信が天堂記念病院に招いた外科医・大友郁弥(錦戸亮)に出し抜かれてしまう。
だが、大友が過去の因縁から病院を乗っ取ろうとしていると疑う海斗は理事長選への出馬を決意。先んじて記者会見に臨み、報道陣に「責任をもってこの病院を変えていく所存です」と宣言した海斗の瞳には、復讐心に加え、野心が燃えていた。
赤楚の演技も回を追うごとに重厚感を増しており、錦戸亮、笹野高史、古舘寛治といった実力派の俳優陣にも負けじと演技合戦を繰り広げる。海斗は父親が築き上げてきた大切なモノを取り返し、愛する人を守ることができるのだろうか。
この役を演じきった時、赤楚もまた俳優として一段階ステップアップしていることだろう。役とともに成長していく赤楚が見せる変化、そしてドラマの結末を最後まで見届けたい。
(文・苫とり子)
【関連記事】
実写版は大成功…原作ファンが絶賛する理由とは? 『チェリまほ』徹底考察。他のBL作品と一線を画す特別な魅力を解説
もし『呪術廻戦』が実写化されたら…? ガチで妄想キャスティング。虎杖悠仁や五条悟、伏黒恵を演じるのにふさわしい役者は?
今年のドラマ、最も演技が良かった俳優&女優は? 2023年の作品から最優秀賞を選出。映画チャンネルドラマアカデミー賞