『チェリまほ』の世界観を見事に体現したオープニング演出
アニメ『チェリまほ』のオープニング曲は、「あなたの声にならない想いを歌う」をコンセプトに2020年より活動を開始した、声にならないよが担当している。曲のタイトルは「はじめては全部君がいい」。
誰しもが胸に抱える切なさや憂いを描く歌詞を、透明感のある歌声と繊細なピアノサウンドの美しいメロディにのせて表現するピアノポップバンドで、今回キャリア初のタイアップ作品となった。
そんな彼らのコンセプトと『チェリまほ』の世界観が綺麗に溶け合い、安達と黒沢の交差していく想いがオープニング映像ともリンクしている。
同期としての距離で過ごしてきた安達と黒沢の視線の違いは映像でも明らかで、安達は下を向きがちで黒沢は前を見つめていた。黒沢は安達を求めるように手を伸ばしているが、安達は手を伸ばそうとするも一瞬振り払っている描写が見られる。ここは少しドキっとしてしまった。
しかし、黒沢の胸から金色に光る美しい鳥が飛び立ち、安達は前を向くようになっていく。ふたりの伸ばした手が簡単に交差するわけではなかったが、気持ちの揺らぎのなかで黒沢の想いは安達の心を確実に捉えていたのだ。