安達と黒沢、それぞれの視点を繊細に描く
最後に安達と黒沢、それぞれのソロバージョン。第5話では黒沢がついに安達に告白をするのだが、そこからの流れで黒沢ソロピアノVerのエンディングに繋がるのも巧みな演出で、第9話で同バージョンが流れるのも泣けてきた。
黒沢は長崎への転勤を相談なしに断ろうとする安達に感情をぶつけており、悲しむ黒沢が安達の横をすっと通り去った場面も胸が痛くなる。
安達の歌でもあり黒沢の歌でもある「マジカルラブ」。歌詞は同じなのに、ソロではそれぞれ違った感情が伝わってくる。繊細に手がけられており、黒沢ソロピアノVerでは曲中の心音が特に印象的に聞こえてくるのもたまらない。
第7話では不安なままの黒沢に気持ちを伝えた安達が、このまま魔法のことを黙ったまま付き合っていいのかと不安になっており、ここで流れた安達ソロギターVerにも痺れた。
また、安達が黒沢への溢れる愛しさを伝える大事な場面が描かれた第11話。ここで再び安達ソロギターVerを持ってきたのも秀逸であり、同じバージョンでも受け止め方が違う。ふたりで重ねてきた時間、深まっていった愛情に思いを馳せたい。
安達と黒沢、それぞれの視点で本編が繊細に描かれているからこそ、エンディングのバージョン違いがより心に響くのだろう。
最終話エンドロールはハッピーエンドの途中であるキャラクターたちの後日譚が描かれ、通常より長い特殊エンディングとなった。多幸感に包まれると同時に、ハッピーエンドの途中の続きとなる物語へ期待が秘かに膨らんでいく。
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