ホラー映画界の人気キャラクター同士の対決
『フレディVSジェイソン』(2003)
上映時間:98分
原題:Freddy vs. Jason
製作国:アメリカ
監督:ロニー・ユー
脚本:ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト、デビッド・S・ゴイヤー
キャスト:ロバート・イングランド、ケン・カージンガー、ジェイソン・リッター、モニカ・キーナ、ケリー・ローランド、ロックリン・マンロー、キャサリン・イザベル、ブレンダン・フレッチャー、クリス・マークエット、トム・バトラー
【作品内容】
80年代を駆け抜けるようにボディ・カウントを積み上げてきたホラー界の2大アイコンが奇跡の邂逅を遂げたスマッシュヒット作。
『13日の金曜日』シリーズを手掛けてきたパラマウント社が持つジェイソンの権利を、フレディを擁する『エルム街の悪夢』シリーズを製作してきたニューラインが取得したことで実現。
【注目ポイント】
監督は香港で『キラーウルフ 白髪魔女伝』などを手掛けてハリウッドに進出、『チャイルド・プレイ4/チャッキーの花嫁』などのホラーアクション作品を送り出したロニー・ユー。
フレディ・クルーガー役はロバート・イングランドが続投しているが、本作で引退を宣言し、最後のフレディ役となっている。
ヒロイン役のモニカ・キーナもグラマラスなボディで印象的な演技を見せるが、この作品の2年後に出演した未公開コメディ作の邦題が『チアガールVSテキサスコップ』と「VS映画」になったのは、本作の影響かもしれない。
90年代のインディーズプロレス界隈では実現していたホラー映画界の人気キャラクター同士の対決が、ちゃんとオフィシャルな実写映画として成立したということだけでも褒め称えたくなる、マニア歓喜のイベントムービー。
人々の恐怖がパワーの源であるフレディが、最近、自分が忘れ去られそうになっていることを痛感。そこで夢の世界からジェイソンを操り、エルム街の住人を恐怖のどん底に叩き込もうという作戦を実行する。
しかし、ジェイソンが暴走して勝手に住民を殺しまくるので、慌てたフレディが「俺にも殺らせろ!」と立ちふさがる…!
超タフネスというか、ほぼ不死身な殺人鬼ジェイソン。対するフレディは夢の世界に潜んでいるファンタジックな快楽殺人キャラ。
似てるようで属性の違うキャラクターをどうやって対決させるのかというアイディア出しには苦心したと言われているが、お互いのストロングポイントを活かしつつ展開するストーリーは予測不能。
巻き込まれた若者たちが殺されていくなか、フレディが現実世界に引っ張り出され、ついにジェイソンとの直接対決が実現。
パワーのジェイソン、スピードのフレディという好対決で、それぞれのファンはどちらが勝つのかを見守ったが、そもそも倒されてもすぐ復活する両者だけになかなか決着がつかない…。
とはいえ悪夢の対決はインパクト絶大で、その後のホラーキャラのVSブームに火をつけた作品だ。