掛け値なしの面白さを誇るVS映画
『フォードvsフェラーリ』(2019)
上映時間:153分
原題:Ford v. Ferrari
製作国:アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェズ・バターワース、ジョン=ヘンリー・バターワース、ジェイソン・ケラー
キャスト:マット・デイモン、クリスチャン・ベイル、トレイシー・レッツ、カトリーナ・バルフ、ノア・ジュプ、ジョン・バーンサル、ジョシュ・ルーカス、レイ・マッキノン、JJ・フィールド、マリサ・ペトロロ
【作品内容】
史実を元にした熱い男たちのカーレースドラマ。
1960年代。ル・マン24時間レースで4連覇を果たし、名声を轟かせていたイタリアの自動車メーカー、フェラーリ。その買収を計画したアメリカのフォードだったが頓挫してしまう。
怒ったフォード社の会長ヘンリー・フォード2世は、ル・マンに出場してフェラーリを打ち負かすと決意、元レーサーで引退後はカーデザイナーとして自身のメーカーを経営していたキャロル・シェルビーにマシン開発を依頼する。
シェルビーは、因縁のあるベテランドライバー、ケン・マイルズに声をかけ、ぶつかりあいながらもレースに挑むが…。
【注目ポイント】
シェルビー役にマット・デイモン、マイルズ役にはクリスチャン・ベールという豪華共演が実現。監督はアクション大作だけでなく、『17歳のカルテ』『ウォーク・ザ・ライン/君に続く道』などの伝記映画も多く手掛けているジェームズ・マンゴールド。
原題も『Ford vs Ferrari』と、掛け値なしのVS映画。タイトル通り、フォードVSフェラーリのル・マン24時間レース対決が主軸だが、そのマシン開発競争や車作りに対するイデオロギー、そしてイタリアとアメリカの威信をかけた争いが描かれている。
さらに細かい対決構造は幾重にも仕掛けられており、シェルビーVSマイルズの意地の張り合い、ベテランVS新人、大企業VS雇われ者、偉そうな上司VS現場の職人といった様々な衝突が描かれ、熱血系でテンションのアガるドラマに仕立てられている。
そもそも本作は、男臭いドラマに定評のあるマイケル・マン監督の企画として進められていたが、様々な事情で降板。
代わりにジョセフ・コジンスキー監督、シェルビー役はトム・クルーズという、後に『トップガン マーベリック』を送り出す布陣で練り直されていた。
この時点ではマイルズ役がブラッド・ピットにオファーされたという報道もあり、これが実現していれば『インタビュー・ウィズ・バンパイア』以来のトムクルVSブラピが観られたかもしれない。