ホーム » 投稿 » コラム » 海外映画 » 実は傑作ぞろい…史上最高の“VS映画”は? 夢の対決を描いた作品ベスト5選。色物だと侮るなかれ! 高品質の作品をセレクト » Page 5

観ていると異様にコーラが飲みたくなるVS映画の良作

『COLA WARS / コカ・コーラ vs.ペプシ』(2019)

上映時間:90分
原題:COLA WARS
製作国:アメリカ
監督:ニコラス・ウォード

【作品内容】

80年代にアメリカ市場を中心にヒートアップした「コカ・コーラ」と「ペプシ」の過激なシェア争いを、当時の社員や広告担当者などの証言を交えてまとめたドキュメンタリー。

【注目ポイント】

アメリカの“国民的飲料”として圧倒的なシェアを誇るコカ・コーラに対し、ゲリラ的に攻撃を仕掛けるペプシ。

まずはブラインド試飲で両者を飲み比べさせる比較広告「ペプシチャレンジ」で揺さぶりをかけるが、コカ・コーラはヘルシーブームに対応した「ダイエットコーク」を発売してさらにシェアを拡大。

反体制的なポジションについたペプシはマイケル・ジャクソンをはじめとした若者に人気のミュージシャンをCMに起用し、革命を訴える。焦ったコカ・コーラは、秘密のレシピを捨ててリニューアルした「ニューコーク」を発売して大コケ…。

コーラを巡る、アメリカならではの狂騒劇を豊富な映像資料と共に振り返る。

飲み比べの比較広告から、史上初の「宇宙で飲まれたコーラ」を巡る争い、そして「ニューコーク」の失敗と「コカ・コーラ クラシック」の誕生…。

いま思うとどうかしていたとしか思えないコカ・コーラVSペプシのパブリシティ対決を、関係者の証言をまとめながら軽快なテンポで解説する。

映画ファンにとって見逃せないのは、様々なスターが登場する当時のCM映像やその製作過程のフッテージ。

ペプシにとって起死回生の起爆剤となったマイケル・ジャクソンのCM起用にまつわるチャプターでは、撮影時に起きてしまったの事故のシーンも観ることができる。

また、映画の中に商品を登場させるプロダクトプレイスメントは、伝統的にコカ・コーラが独占しており、『ウエスト・サイド物語』『タクシードライバー』『E.T.』などの大作にコカ・コーラが映り込むシーンが登場。

対するペプシ側が一矢報いたのが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だったというのも興味深い。

観ていると異様にコーラが飲みたくなる良作だが、ドキュメンタリーの世界では、このような企業戦争をテーマにした作品が多く、『セガVS任天堂/Console Wars』(2020)など、そのタイトルに「VS」が付くことが多い。

ちょっと趣が違うが、熱烈なスターウォーズマニアたちが製作者ジョージ・ルーカス(と、ジャージャー・ビンクス)を批判する姿を追った『ピープルVSジョージ・ルーカス』(2010)もVS系ドキュメンタリー。

また、セレブの裁判ドキュメンタリーもVSタイトルを付けがちで、『ブリトニーVSスピアーズ ー後見人裁判の行方ー』(2021)や、全米が注目したドロ沼裁判を追ったシリーズ『デップVSハード』(2023)もある。

【関連記事】
実は超低予算だったメガヒット映画は…? 史上もっともコスパの良いハリウッド映画5選。奇抜なアイデアで世界を変えた作品たち
最低の“悪役”で評価を上げた俳優は? 日本映画史に残るアンチヒーロー5選。トラウマ級の名演技をセレクト
キモくて怖い! クリーチャー・ホラー6選。 史上最恐の化け物が大集結!【ホラー映画紹介Vtuberミミカ・モーフが選出】

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!