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鬼畜ぶりに思わず鳥肌…。
サイコな轢き逃げ男の顛末とは?

『その夜の侍』(2012)

出典:amazon

監督:赤堀雅秋
原作:赤堀雅秋
キャスト
中村健一:堺雅人
木島宏:山田孝之

【作品内容】

小さな鉄工所を営む中村(堺雅人)は五年前のひき逃げ事件で最愛の妻を亡くし、虚無的な日々を過ごしている。
その頃、出所したばかりのひき逃げ犯・木島(山田孝之)の元に、“復讐決行日”までをカウントダウンする匿名の脅迫状が届くようになる。

2007年に劇団「THE SHAMPOO HAT」が上演した舞台劇が原作。脚本、監督は同劇団の旗揚げメンバーである赤堀雅秋。前述したシーサイドモーテルにも出演した俳優でもあり、『葛城事件』でもメガホンをとった。

【注目ポイント】

山田は轢き逃げをし、5年の刑期を終え出所した男・木島を演じる。
人の心がない木島は女性を轢いた後、死体を目の前にしても普段の調子で他愛のない話をはじめるサイコっぷり。そんな木島の人間性は、「胸糞悪い」という言葉がぴったりである。

木島は周りの人間を巻き込み、思いどおりに支配し、関わった人間はもれなく不幸になっていく。「バーベキュー!」と叫びながら、暴行した相手にノリノリで灯油をかけるシーンでは、あまりの鬼畜ぶりに鳥肌が立ってしまうほど。

凶暴な言動が多い木島だが、時折見せる表情から、どことなく虚無感が感じられる。総じて、なんとも後味の悪い作品となっており、観ている人をこんなにも不安な気持ちにさせるのは、山田の迫真の芝居あってこそ。

終盤における、主人公・中村(堺雅人)との決闘シーンでは、初めて感情を吐露する場面であり、あまりの迫力に圧倒されること請け合いだ。

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