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物語のトーンを“緩和”させる貴重な存在に

野呂佳代【本人のInstagramより】
野呂佳代【本人のInstagramより】

 野呂が演じる、自分より少し年下の若者たちを“見守る”女性には、何とも言えない包容力がある。それは特段温かい言葉をかけたりせずとも、じんわりと伝わってくる類のものだ。包容力に由来する安心感こそ、近年、野呂が映像作品に引っ張りだこになった所以ではないだろうか。

 バラエティ番組での印象が俳優として悪く作用してしまうパターンもあるが、野呂の場合はそうはならなかった。人を傷つけることなく自らの言動で笑いを取りに行く姿は多くの視聴者に“いい人”のイメージを定着させ、役を纏ったとしても野呂が笑顔になることでその場の緊張が和らぐ。

 そして、野呂の出演作に『ブラッシュアップライフ』(2023、日本テレビ系)など良作が多いのは、緊張と緩和の匙加減が計算された作品において、“緩和”の役割を担って登場するからだろう。そして、見事に野呂はその役割を果たしている。

 次クールも松本若菜主演ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(2024、TBS系)に、松本の親友役としての出演が決まっている野呂。この快進撃はどこまで続くのか。個人的には、野呂が主演を務める作品もいつか観てみたい気がする。

(文・あまのさき)

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