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相棒史上最高の感動回

●シーズン12「待ちぼうけ」

放送日:2014年3月12日
脚本:古沢良太
犯人役:太川陽介

 本エピソードは、個人的に”相棒屈指の感動回”だと思っている。

 ある休日、カイトはお洒落な喫茶店で元カレを待つ雪美をナンパしていた。一方右京は、無人駅でとある男と出会う。男の名は友部。職業は靴職人だという。

 友部は雪美の元カレであった。20年前に2人は将来を約束していたが、友部の実家が経営難となり友部は雪美に別れを切り出したのだった。そして月日が流れて、再会した2人は今度こそ一緒になろうと誓い合うも、その夜、友部は不可抗力で人を殺してしまう。人生に絶望した友部は雪美を再度突き放し、自殺の名所へ向かうため、電車を待っていたのだった。

 特命係はすでに友部が犯人だと割り出し、彼が向かうであろう駅と雪美との待ち合わせ場所を張り込んでいたのである。右京の必死の説得で心が揺れる友部の元に、雪美から一通のメールが届く。

「私は貴方を待ち続けます。たとえ貴方が深い絶望に陥ったとしても」

 過ぎ去る電車を見送りながら友部は涙を流す。雪美に付き添われながら警察署へ向かっていく2人を見て、右京とカイトは固い握手を交わす。

 本エピソードは、亀山期神回5選でも紹介した『バベルの塔』を執筆した古沢良太の脚本である。最初は特命係の2人が思い思いに休暇を過ごし、右京はお汁粉を買うか悩んだり、カイトは駆け出しのホスト扱いされたりと笑える場面から幕を開ける。

 しかし、友部が右京の正体(警察官であること)を知ったことで物語は一気に加速。人生に絶望して死にたがっている友部に、右京がオセロを使いながら希望を必死で伝えていく姿は熱い。

 ただここまで書き進めてきたはいいものの、私の文才で本エピソードの感動を伝えられているか、自信がない。本作は画作りも音楽もセリフも全てが素晴らしいので、是非とも五感をフル活用して鑑賞してほしい。

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