ホーム » 投稿 » コラム » 日本映画 » 実は一番神回が多い? 『相棒』【甲斐享編】興奮必至の名エピソード5選。成宮寛貴が素晴らしい…歴史に残る傑作をセレクト » Page 4

仲間たちが甲斐享を助ける熱き回

●シーズン13「死命」

放送日:2014年12月3日
脚本:真野勝成
犯人役:阿知波悟美

 本エピソードは、”甲斐享という若者の成長”を丁寧に描いている。

 カイトが単独で捜査をするのは、年の差婚をした妻を保険金目的で毒殺した疑いのある田無という男。右京と捜査一課の手を借りて追い詰めるも、田無はカイトの目の前で投身自殺をする。

 捜査手法に問題は無いとされるが、罪悪感に駆られたカイトは辞職を決意。右京は田無が起こした事件に裏があると思い単独で捜査を続け、またカイトは田無の墓で彼の友人だという小山美波と出会う。

 右京とカイトは別々に捜査を進め、保険金殺人を目的とする年の差婚を斡旋していた”ビッグママ”こと大原美千代に辿り着く。カイトのために、右京、捜査一課、米沢、組対四課全員が協力し”ビッグママ”を逮捕。また右京は田無が罪悪感で遅効性の毒を飲み死ぬつもりだったことを明らかにして、カイトの心を救い、辞職を撤回させる。

 戻ってきたカイトへ右京は紅茶を差し出しながら微笑む。

「おかえりなさい、カイト君」

 本エピソードは、甲斐享の未熟さと成長を親心のように観てしまう。たった1人で3年間もの時間をかけて田無への捜査を行うという成長ぶり。犯人が自殺したショックで心が折れてしまう未熟さ。そこから右京をはじめとした仲間達が彼の為に動き出し、一丸となって巨悪へ立ち向かっていく展開が熱い。

 峯秋(石坂浩二)も伝え方こそ不器用ではあるが「お前のせいじゃない」と話したり、最後はカイトの活躍を周囲から褒められ嬉しそうにしたりと親子としての関係改善も見られる。

 回を追うごとに周囲から愛され、成長していった甲斐享。終わり方こそ悲劇的だったものの、視聴者の心を掴んだ瞬間は何度もあったのだ。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!