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『リーガル・ハイ』、『逃げ恥』から滲み出る聡明さ

新垣結衣
新垣結衣【Getty Images】

 新垣が出演する作品に間違いはないと言っても過言ではなく、20代に突入してからも『リーガル・ハイ』(フジテレビ系、2012)や『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系、2016)などをその圧倒的ヒロイン感で軒並みヒットさせた。

 どちらもコメディ色が強いものの、社会に対するメッセージ性のある作品だ。新垣が演じるのも、ただ可愛いだけのヒロインではない。

『リーガル・ハイ』で演じた黛真知子は無敗の弁護士・古美門研介(堺雅人)の事務所で働くことになる新米弁護士。敏腕だが人間性にかなり問題のある古美門と、真面目だけど時に正義感が空回りする黛はとにかく相性が悪い。この作品における新垣は一切マドンナ的な扱いはされておらず、むしろウザキャラという珍しい立ち位置だ。

『逃げるは恥だが役に立つ』で演じた森山みくりも、大学院まで出たのに就職難のあおりを受けて派遣社員、しかも契約を切られるという不憫なスタート。システムエンジニアの津崎平匡(星野源)と契約結婚し、やがて本当の恋愛関係へと発展するも自身のコンプレックスである“小賢しさ”が出てしまう。

 どちらも学級委員長タイプで、真面目で素直ないい子なんだけど、融通が効かない。そういう役が妙に似合うのは、新垣自身がキラキラとしたオーラがありながらも、トーク番組やバラエティで見せる顔とは少し違って、実は物静かで繊細な感性を持っているからなのだろう。キュートなコメディエンヌぶりを発揮する一方で、そういう本人の聡明さが役に滲み出ている。

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