宇宙からの来訪者を友好的に描いた画期的な一本
『E.T.』(1982)
上映時間:115分
原題:E.T. the Extra-Terrestrial
製作国:アメリカ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:メリッサ・マシスン
キャスト:ディー・ウォーレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモア、K・C・マーテル、ショーン・フライ
【作品内容】
スティーブン・スピルバーグ監督の永遠の名作。地球に取り残された宇宙生物と少年たちの交流を描く。公開されるや全米を中心に大ヒットを記録し、長年世界興行総収入の1位にランキングされ続けた。
【注目ポイント】
1971年のテレビ映画『激突』(日本を含む海外では劇場公開された)で注目を浴びると、1975年の『ジョーズ』、1977年の『未知との遭遇』とビッグヒットを連発して、一気に売れっ子監督に昇りつめたスティーブン・スピルバーグが1982年に撮り上げたのが『E.T.』だ。
興行的な成功に止まらず賞レースに絡むなどスピルバーグ監督の名声を一段上に押し上げた作品でもある(第55回アカデミー賞では、作品賞や監督賞にノミネートされた)。物語にはスピルバーグの幼少期の思い出が色濃く反映されるなど、自伝的な要素も強い作品となっている。
以上の点を踏まえると、リブート&リメイクを実現する際は、やはり何らかの形でスピルバーグが関わることが必須条件である。彼の映画会社“アンブリン”のロゴから始まらない『E.T.』など考えられない。それは映画ファンの総意だろう。
ただしスピルバーグは、『ジュラシック・パーク』(1993)を『ジュラシック・ワールド』(2015)として再始動させた際には、新鋭監督にメガホンを託している。『E.T.』リメイク版が作られる場合、あっと驚く新人が監督に抜擢されるかもしれない。
ユニバーサルスタジオでは、“E.T.の故郷グリーンプラネットを救うため、冒険に出発する”という内容のアトラクションが人気を博した。そのことからわかるとおり、『E.T.』の世界観には拡張性がある。
宇宙からの来訪者を友好的に描いた作品は近年減っており、その点、今作り直される意義のある作品だと言えるだろう。
(文:村松健太郎)
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