物語に溶け込む“変幻自在”の演技力に脱帽。SixTONES・松村北斗の出演作を見る特別な喜びとは? 【推しmovies】
アーティストのみならず、ドラマ、映画、バラエティと多岐に渡る分野で存在感を発揮しているアイドルグループ・SixTONES。今回の【推しmovies】は、同グループのメンバーの1人である松村北斗にフォーカス。昨今、映画やドラマには欠かせない存在となった、松村の深みのある繊細な芝居と稀有な存在感に迫る。(文・柚月裕実)
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【著者プロフィール:柚月裕実】
エンタメ分野の編集/ライター。音楽メディア、エンタメ誌等で執筆中。コラムやレビュー、インタビュー取材をメインにライターと編集を行ったり来たり。SMAPをきっかけにアイドルを応援すること四半世紀超。コンサートをはじめ舞台、ドラマ、映画、バラエティ、ラジオ、YouTube…365日ウォッチしています。
映画ドラマに欠かせない松村北斗の繊細な演技力
SixTONESとしての活動に加えて、ソロでは俳優として目覚ましい活躍をみせる松村北斗。
2021年放送のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)で演じた雉真稔役をはじめ、直近ではアニメ映画『すずめの戸締まり』(2022)で声優に初挑戦。また2024年2月公開の映画『夜明けのすべて』ではパニック障害を患う青年を繊細に演じてみせた。6月14日から公開の大泉洋主演映画『ディア・ファミリー』にも名を連ねるなど、相次いで話題作に出演する。6月18日に29歳の誕生日を迎えた松村。いま改めて俳優としての魅力に注目してみたい。
キャリア初期の松村は、SixTONESの結成のきっかけとなったドラマ『私立バカレア高校』(日本テレビ系、2012)への出演をはじめ、『黒の女教師』(TBS系、2012)、『Piece』(日本テレビ系、2012)、ジェシー、田中樹と共にトリプル主演を務めた映画『バニラボーイ トゥモロー・イズ・アナザー・デイ』(2016年)と、当時の実年齢に近い学生役を多数演じてきた。いま改めて『黒の女教師』のクラスメイトの顔ぶれを見ると、現在も一線で活躍する俳優陣が多数名を連ねており、松村もその一人だ。
3世代のヒロインを描いた『カムカムエヴリバディ』で、松村は安子(上白石萌音)の初恋の相手でのちに夫となる雉真稔役を好演。SNSでは“稔ロス”という言葉が生まるほどの人気を博した。学生服からスーツ姿へとまとう衣服の変化にともない、時の流れと共に顔つきもキリっとさせるなど、非の打ち所がない好青年という難役を、この上ないほど説得力豊かに演じてみせた。