物語に溶け込む…変幻自在の演技力
SixTONES公式Instagramより
SixTONESとしてステージに立てば、ロックやアッパーチューンなどを華麗にパフォーマンス。ステージ映えする派手な衣装もスマートに着こなすファッショナブルな青年だが、こと芝居となると、また違った華やかさと魅力を放つ。
そして様々なジャンルの作品、それも現代ではない時代を描いた作品にも驚くほど馴染むのだ。
それが俳優だ、と言われればそれまでだが、変幻自在、透明感、どんな色にも染まり、物語に溶け込む…どう表現すべきか迷うほど、柔軟性やフラットさを持つ俳優だ。
原作、ドラマ共に圧倒的な人気を誇る劇場版『きのう何食べた?』(2021)に美容師・田渕剛役で出演した際もそう。ケンジこと矢吹賢二(内野聖陽)が働く美容室の同僚として、あたかもドラマシリーズから出演していたかのような自然な佇まいで物語に馴染んでいた。
存在感は確かにあるのだが、清々しい風が吹き込むような、“抜け感”をもたらす存在であるとも感じた。原作者やプロデューサーがここぞというタイミングで登場させたかったという肝入りの人気キャラへの抜擢。共演の内野からは芝居を教わったとも明かしていた(※)。
一方で、宗像草太役を演じたアニメ映画『すずめの戸締り』では、声優らしく抑揚をしっかりつけて、鑑賞した人の記憶にはアニメーションの色鮮やかなシーンと共に、きっと松村の声もはっきりと再現できるほどに刻まれているだろう。
好青年からクール、ミステリアス、クレバーな役まで演じ分けてきたが、映画『夜明けのすべて』では、これまでの作品とは一線を画す、繊細な役どころに挑戦した。背を少し丸めてとっつきにくい雰囲気を放つものの、実は病と戦う青年の役だ。内側に葛藤や焦り、恐怖などが重くのしかかる様子を、静かに深みのある芝居で魅せた。
※ORICON NEWS(SixTONES松村北斗、『きのう何食べた?』参戦 内野聖陽と秘密の“特訓”「役作りが変わった」)