ホーム » 投稿 » コラム » 日本映画 » 物語に溶け込む“変幻自在”の演技力に脱帽。SixTONES・松村北斗の出演作を見る特別な喜びとは? 【推しmovies】 » Page 3

始まりと終わりで演じ分ける芝居


SixTONES公式Instagramより

 興行通信社発表の週末(2024年6月14日~16日)全国映画動員ランキングで初登場1位と好発進の映画『ディア・ファミリー』は、松村が長年のファンである大泉洋との共演が叶った作品だ。大泉をはじめとする主人公の家族の軌跡を描いた作品ではあるが、松村が演じる役柄もまた物語に欠かせない人物だ。

 過去(1970年代)を舞台にした作品ではあるが、松村は作品世界に見事に馴染んでいた。また、登場シーンと終盤のシーンとでキャラクターの見え方に変化を付けることで年月の経過を上手く表現してみせた。

 複数の作品が海外の映画祭へ出品され、高評価を得るなど、活躍の舞台は広がり続けており、俳優としてのこれまでの足取りが着実に実っていく姿は眩しく映る。

 松村の出演作の魅力は、彼の芝居をたっぷりと観られる喜びはもちろん、様々な物語を通して「もし私だったら」「もしかしたら私も…」と、自分ごととして捉え、考える時間をもたらしてくれるところにある。

 映画監督のインタビューを読むと、演出を通して俳優を“汚したい”という言葉を目にすることがある。今後、松村が30代、40代…と芝居を続けていく中で、きっとそんな風に名乗りをあげる人が現れる予感がする。

1 2 3 4
error: Content is protected !!