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斬新すぎて視聴率惨敗…!? 攻めた演出に見どころがある1本

『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』(2013、TBS系)

木村拓哉(2009年)

木村拓哉【Getty Images】

脚本:西荻弓絵、泉澤陽子
キャスト:木村拓哉、柴咲コウ、大島優子、桐谷美玲、遠藤憲一、名取裕子

【作品内容】

 2013年のある日、100年後からやって来た警察アンドロイドが、天才物理学者・沫嶋黎士を殺害。彼の婚約者だった麻陽もアンドロイドのターゲットとなる。そんな折、麻陽の命を救うため、黎士と瓜二つのアンドロイドARX II-13が現れる。

 当初はアンドロイドの非人間的な振る舞いに反発心を覚えていた麻陽だったが、徐々に絆を深めていき、やがて彼を安堂ロイドと名付ける。

【注目ポイント】

『ロングバケーション』(1996、フジテレビ系列)や『ラブジェネレーション』(1997、フジテレビ系列)、『GOOC LUCK!!』(2003、TBS系列)など、数々の高視聴率ドラマに主演した木村拓哉。この『安堂ロイド』は、そんな数ある木村の主演作でも、異色中の異色と言える作品だろう。

 本作は、現代に送り込まれたアンドロイドと人間の時空を超えたラブストーリー。脚本は『ケイゾク』(1999、TBS系列)の西荻弓絵で、演出は『ATARU』(2012)の波多野貴文が担当。『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)シリーズでおなじみの庵野秀明や鶴巻和哉、前田真宏が「コンセプト・設定協力」として実写テレビドラマに初参加することでも大きな話題を呼んだ。

 ただ、本作、物語自体はそこまで斬新なものではない。アンドロイドがタイムスリップするという設定自体、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のあの映画を連想させるし、他にも映画『アイアンマン3』(2013)や『12モンキーズ』(1995)など、さまざまな映画のオマージュが散りばめられている。

 また、本作の放送枠の1つ前の作品が『半沢直樹』だったこともあり、あまりの落差に驚いた視聴者も多かったのだろう。放映当時は、「設定が現実離れしすぎていて感情移入できなかった」など、すげない反応が並んだ。しかし、内容自体は、きわめてよく練られており、何度見返しても楽しめるものとなっている。

 同じようなテイストの恋愛ドラマが番組欄を占めるというのもなんとも味気ないものだ。たまにはこういう攻めた内容のドラマが放映されていいのではないだろうか。

(文・編集部)

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