ホーム » 投稿 » コラム » 日本映画 » 平成ドラマ史上最高の男性キャラは? 視聴者を魅了した俳優5選。お茶の間の女子を骨抜きにしたレジェンドたち » Page 2

ストレートな愛情表現に漂う平成臭

佐藤健『メイちゃんの執事』(フジテレビ系、2009)

佐藤健

佐藤健【Getty Images】

原作:宮城理子
脚本:古家和尚
出演:水嶋ヒロ、榮倉奈々、佐藤健、山田優、岩佐真悠子、谷村美月、大政絢、中別府葵、忽那汐里、吉田里琴、夕輝壽太、真山明大、姜暢雄、丸山智己、鈴木亮平、阿部進之介、臼田あさ美、ホラン千秋、向井理、堀内敬子、鈴木浩介、石野真子、杉本哲太、津川雅彦

【作品内容】

主人公・東雲メイは、四国の香川県の田舎で暮らす、ごく普通の中学2年生だったが、交通事故により讃岐うどん屋だった両親を亡くす…。

【注目ポイント】

 もしも自分にイケメンの専属執事がいたら…。そんな平成女子の夢をかなえてくれた本作。水嶋ヒロの平成臭をプンプン漂わせる盛り髪も、今となっては箱にしまったお気に入りのおもちゃのような懐かしさと、いとおしさを感じさせる。

 イケメン大集合ドラマの代名詞である『花より男子』(2005、TBS系)同様、今回も“当て馬役”に着目してみよう。佐藤健演じる理人の弟役・剣人だ。

 「豆しば」と呼ばれ、雑魚感を漂わせる剣人。メイとのわちゃわちゃしたかけあいは、なんともむずがゆいような甘酸っぱさを感じさせる。しかし、喧嘩ばかりの幼馴染のメイに密かに恋心を抱いているという少女漫画あるあるが、本作のいいスパイスになっている。

 とりわけ、理人に思いを寄せていると知りながらもメイを抱きしめるシーンは、“平成の恋愛ドラマ”の醍醐味を凝縮した超ド定番演出で、視聴者を胸キュンさせること必至だろう。平成女子たちが大人になった今、もうこんなストレートすぎる恋愛ドラマは制作が難しいかもしれない。

 だが、本作の灯は、令和になっても消えていない。2022年に開催された第45回日本アカデミー賞の授賞式では、麻々原みるくを演じた吉川愛(当時の芸名は吉田里琴)が、執事・大門を演じた鈴木亮平と再会。Instagramに投稿し、ネットで大きな盛り上がりを呼んだ。

時代を超えて再び湧き上がる熱烈な声に、本作の色あせない人気ぶりがうかがえる。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!