最後まで見れたらスゴい!
ツッコミどころ満載のマヌケ映画
『ハウスシャーク』(2017)
上映時間:112分
原題:House Shark
製作国:アメリカ
監督:ロン・ボンク
脚本:ロン・ボンク
キャスト:トレイ・ハリソン、マイケル・マーチャント、ウェス・レイド、ウエイン・W・ジョンソン
【作品内容】
息子のテオと2人暮らしの元警官フランクは、シッターのベッツィがトイレで凄惨な最期を遂げたのをきっかけに、家にサメのような生き物がいると確信する。
家を明け払い、テオとテント生活をするフランクだったが、その後家は地元の悪徳業者の手に。内見に訪れたカップルも犠牲になってしまう。そんな中、フランクは、ハウスシャークの駆除専門家を発見。
ハウスシャークと人間の闘いが始まる…。
【注目ポイント】
これほど狂ったサメは初めてだー。本作のDVDパッケージには、そんなキャッチコピーが記されている。それもそのはず、本作のサメは、海でも砂でもなく、なんと「家の中」に出る。要は、ゴキブリやネズミと同じ害獣なのだ。
ただ、そんなサメに出会うには、いくつかのハードルを超える必要がある。最初のハードルは、グダグダのハードルだ。
本作では、冒頭にベッツィーが犠牲になった後、念動力を操る先住民ダースと科学者のザカリー、不動産屋のエイブラハムによる下ネタだらけのかいわが会話がダラダラと続く。
その時間、およそ50分。どんなに体力がある若者でも、おっさん3人が会話しているのを見るのは精神的にキツイだろう。
第二のハードルは、茶番のハードルだ。ダースがあっさり殺された後、ようやくハウスシャーク退治に乗り出す3人。
まずは家にハウスシャークを閉じ込めようと、外側から窓や戸に木の板を打ち付けるが、今度は中に入れなくなってしまう(当たり前だ)。
その後ようやく中に入る3人だが、ハウスシャークがなかなか現れず、居眠りをこいてしまう。あまりにもグダグダな展開に、登場人物も嫌気がさしたようだ。
そして、開始から1時間14分後、ようやくハウスシャークが登場する。ここまで見た皆さん、おめでとう。しかし、その期待はすぐに裏切られるだろう。
なぜなら、ハウスシャークは着ぐるみだからだ。しかも、なぜかレーザー銃のような武器を手にしている。「ヒレでどうやって撃つの…?」なんて疑問はナンセンスだ。
残念なことに、このグダグダはまだ続く。意気揚々と家に乗り込んだ彼らだったが、あまりに貧弱な彼らの武器では歯がたたない。最終的にはハウスシャークをペコペコとタコ殴りだ。
そしてラストは、ウイスキーの飲み過ぎで酒になったエイブラハムの血に引火し、ハウスシャークもろとも大爆発を遂げる(なぜかフランクは無傷だ)。登場人物も観客も浮かばれないバッドエンドだ。
そんな本作だが、唯一楽しく見れる方法がある。それは、アルコールで脳みそをマヒさせるという方法だ。ただ、そこまでして見るくらいなら、素直に『ジョーズ』を見た方がいいかもしれない(飲みながら見るジョーズはいいぞ!)。