もはやサメとは…!?
霊界まで突き抜けた超おバカ映画
『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』(2020)
上映時間:70分
原題:Ouija Shark
製作国:アメリカ
監督:スコット・パトリック
脚本:デヴィッド・A・ロイド
キャスト:ステフ・グッドウィン、ロビン・ホッジ、ゾーイ・タウン、エイミー・オズボーン
【作品内容】
旅行先のビーチで、古い木片を拾ったジル。彼女が拾ったその木片とは、魔界と現世をつなぐウィジャ盤だった。
ウィジャ盤の魔力により召喚されたウィジャ・シャークにより、街は大パニックに。神出鬼没のウィジャ・シャークを撃退する唯一の頼みの綱は、超能力者のジルの父親だった…。
【注目ポイント】
さて、最後に紹介するのは、なんと「幽霊ザメ」だ。
この幽霊ザメ、他の幽霊同様、当然物理攻撃が効かない。だから、そもそも倒しようがないのだ。かつて、これほどまでに恐ろしいサメ映画があっただろうか。
ただ、この作品を見終わるにも、いくつかのハードルを超える必要がある。一つ目のハードルは、例によってグダグダのハードルだ。
主人公のジルは、開始9分でビーチでウィジャ盤を見つける。ビーチとはいえ、正直水質の悪い「その辺の海」で、なぜジルがそんなところで泳ごうと思ったのかいまいちわからない。
そして、ジルが家に帰って以降は、彼女と友達4人との他愛のないシーンが続く。このシーンのハイライトは、かっこいい隣人が洗車をしているシーンだろう。2、3分に及ぶ長回しが印象的なこのシーンだが、特に意味はなさそうだ。
そして、なんだかんだあって、開始から30分くらいでようやくサメが登場する。ここまで見た皆さん、おめでとう。しかし、その期待は見事に裏切られるだろう。なにせ、サメは、ホームセンターとかで売ってそうなぬいぐるみだ。
そして、ここで演出のハードルが立ちはだかる。プールに出たウィジャ・シャークに対し、「あなたもキマりたいの?」とドラッグをちらつかせる女。
と、ウィジャ・シャークが頭にかぶりつくや、画面は真っ白になり、彼女は消える。人間の死を白い画面で表現するという、なんとも斬新な演出方法だ。
ここまで本作を脱落せずに見た視聴者は、かなりの猛者だろう。そんな君たちに、この先真の恐怖が待ち受けている。本作のラストでは、サメに倒されたジルの父親が、幽霊となってサメに立ち向かう。
素材感丸出しの青空の前で対峙するサメと父親。サメが口から放つ火球を「ミスティックシールド」で防御し、攻撃するものの、サメに効く気配はない。
すると、なんと、あろうことか「うわぁぁぁぁぁ!」と叫びながら体当たりし、サメもろとも爆発する(爆発もしょぼい)。こんな映像を映画館で流したのかー。そう考えると、映画関係者でなくても背筋が冷たくなってしまうはずだ。
なお、この様子を地上から見守っていたジルは、仲間の「なぜ倒せたんだ?」という質問に、次のように応える。
「愛の力よ…」
さて、本作を最後まで観れた視聴者なら、きっとこれからどんな「クソ映画」が襲ってきても、愛の力で立ち向かうことができるはずだ。
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【了】