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映画界にアクションを根付かせた元祖イケメン特撮ヒーロー

千葉真一

千葉真一
千葉真一Getty Images

 日本のアクション俳優といえば、まず何よりこの人に触れなければならないだろう。「千葉ちゃん」や「Sonny Chiba(サニー千葉)」の愛称で親しまれた千葉真一だ。

 元々、千葉は、体操選手としてオリンピックを目指していたが、ケガをもとに大学を中退。その後、1959年に東映に入社し、映画俳優としてのキャリアをスタート。器械体操のみならず、極真空手や少林寺拳法、乗馬、スキーなどで培ったアクションを武器に、激しいスタントもこなした。

 そんな千葉を語る上で欠かせないのが、テレビドラマシリーズ『キイハンター』(1968〜1973、TBS系)だろう。国際警察の秘密組織の活躍を描いたこのシリーズでは、体操で培った身のこなしを披露。演じる風間洋介役のキュートさもあいまって、視聴者を釘付けにした。

 また、1970年には、ジャパンアクションクラブ(JAC)を設立。志穂美悦子や真田広之、堤真一ら多くの才能を生み出し、日本の映画界にアクションを根付かせることに成功した。

 そして、1973年に出演した映画『ボディガード牙』シリーズの世界的ヒットをきっかけに、ハリウッドにも進出。日英合作の『武士道ブレード』(1981)や香港映画の『風雲 ストームライダーズ』で類まれなアクションセンスを遺憾なく発揮した。

 キャリア晩年にはクエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル』(2003〜04)シリーズに出演。復讐に燃える主人公・ブライド(ユマ・サーマン)に刀を授ける服部半蔵役を貫禄たっぷりに演じ、健在ぶりをアピールした。

 さらにこの作品では、ユマ・サーマンやルーシー・リューへの剣術指導も担当。クライマックスでルーシー・リュー演じるオーレン・イシイが履物を脱ぐ演出は、千葉のアイデアに基づいているという。

 そんな千葉は、2021年に新型コロナウイルスで急逝。彼のアクション俳優としてのDNAは、息子の新田真剣佑や眞栄田郷敦に確かに引き継がれている。

(文・編集部)

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