息をつく暇がない、名シーンのオンパレード
『ターミネーター2』(1991)
―――王道の映画『ターミネーター2』を挙げていただきました。
「続編は結局、失敗する映画が多いと思いますが、最も成功した作品だと思っています。特に映画が好きな人は、もうちょっと通ぶった作品を挙げると思うんですけど、僕は好きな映画は『ターミネーター2』ですって、臆面もなくいつも口にするんです(笑)」
―――いや~、正直で素敵です!
「ありがとうございます。この映画は、『映画ってやっぱりエンターテインメントなんだろうな』ってところに気付かせてくれますし、話が広がるっていう意味でも、最高なんですよ。次々と何かが起こる中、息つく暇がなく、液体金属であるT-3000が追いかけくるわけで」
―――特にお好きな描写はありますか?
「T-3000の恐ろしさもさることながら、日常のワンシーンのギャップが面白いんです!
例えば、シュワちゃんが牛乳飲んでる時にT-3000がパックごと貫いて、牛乳がちょろちょろと出くるシーンとか。あと、シュワちゃんが花束からショットガンを出して撃ったりする場面とか。なんかいちいちそんなシーンが思い出になってるんですよ。
初めて観てから数十年経っているのに、こんなにも鮮明に頭の中に刻まれているというところが、『ターミネーター2』の飛び抜けているところだなと感じます」
―――流し見していても、ストーリーは大体、把握できますよね。
「そうなんです(笑)。敵に、ただただ追われて逃げるというだけの、すごくシンプルなストーリーなのに、どこを切り取っても名シーンになってるんです。病院の逃走シーンで、注射器の中に洗剤かなんかを入れて敵に撃つところや、ターミネーターが海に沈んでいくシーンも大好きです。本作は、とんでもない量のアイデアが散りばめられているのが、大好きなんです」
―――確かに、アイデアの宝庫だと思います。本作を参考に作られている映画も今はたくさんありますよね。
「そうなんです。あと、自分に子供ができて物心ついた時に、まず観せたいと思っている映画ですね」
―――教育のためにですか?
「そうです。人の命を大事にするのは、当然の常識として、1つ教えるじゃないですか。でも、ターミネーターって、ご存じの通り、主人公も敵も機械なんですよね。魂があるかもわからない存在ですし。でも、実はちょっと魂が宿っていたのかな? みたいな感じで終わっていくわけで。
機械や何かしらの物にも、魂が宿るのかもしれないなと思わせるストーリーって、物を大事にするっていう意味で、すごく良い教材だと思うんです」