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実話が恐ろしい…実在の凶悪事件をモデルにした日本のドラマ5選。人間の闇を浮き彫りにする問題作をセレクト

text by 編集部

毎年90本前後制作されている日本のドラマ。これまで制作されたものの中には、目を覆いたくなるような事件や凶悪犯罪をモデルとしたものも少なくない。というわけで、今回は、実際に起きた事件をモデルにしている日本のドラマを5本紹介。ストーリーと共に実話の内容も解説する。(文・編集部)

本当は冤罪…!? 平成日本を震撼させた無差別殺人事件

『テセウスの船』(2020)→和歌山毒物カレー事件

鈴木亮平

鈴木亮平【Getty Images】

放送期間:2020年1月19日~3月22日
原作:池井戸潤
脚本:八津弘幸
キャスト:竹内涼真、鈴木亮平、榮倉奈々、安藤政信、貫地谷しほり、芦名星、竜星涼、せいや(霜降り明星)、今野浩喜、白鳥玉季、番家天嵩、上野樹里、ユースケ・サンタマリア、笹野高史、六平直政、麻生祐未、

【作品内容】

 1989年。雪深い音臼村の小学校で、とある事件が起きた。小学校のお楽しみ会で児童に振舞われた飲み物に、猛毒の青酸カリが入れられていたのだ。この事件で、村の警察官だった佐野文吾が逮捕。その後、死刑判決が下される。

 それから31年後。佐野の息子の田村心は、事件を調査するために、一人音臼村を訪れる。すると、田村は、31年前の事件直後にタイムスリップする。目の前にいるのは、笑顔が絶えない佐野の姿だった。何かがおかしいと気づきはじめる田村。果たして事件の真相は…?

【注目ポイント】

 2020年に放送された『テセウスの船』(TBS系)では、放送後にとある事件がSNSを中心に話題を呼んだ。それは和歌山毒物カレー事件だ。

 1998年7月25日。和歌山市の園部地区では、毎年恒例の夏祭りが開催されており、自治会の女性役員らが手がけた料理が振る舞われていた。しかし、カレーが振る舞われると状況が一変。未成年者を含む67人が嘔吐や腹痛で病院に運ばれ、小学生を含む4人が死亡した。

 その後、カレーライスから猛毒のヒ素が発見されたことから、警察は無差別殺人事件として断定。現場近くに住む主婦の林眞須美を、被疑者として逮捕した。

 田舎の夏祭りで起きた無差別殺人事件ー。そんなセンセーショナルな事件は、世間を震撼とさせた。そして、メディアは、そんな世間の声に応えるように林に突撃インタビューを行い、林をさらし者にした。

 しかしこの事件には、当初から冤罪疑惑が持ち上がっていた。なぜなら、本事件には物的証拠がない。そして、林自身も犯行を自供していない。加えて、ヒ素の鑑定結果にも、近年誤りが指摘されている。

 2024年8月、とあるドキュメンタリー映画が公開される。『マミー』と題されたその映画は、本事件の闇を描いた作品だ。映画のメインとなるのは、林の長男である浩次氏(仮名)。事件後に児童養護施設に預けられ、壮絶ないじめを受けてきた浩次氏は、子どもたちの中で唯一、無実を訴える林と面会を続けてきた。そして、現在は、SNS、Youtubeなど、さまざまなメディアで母の無実を訴え続けている。

 日本を震撼とさせた和歌山毒物カレー事件。刑が執行される前に、その真相が明らかになることを願うばかりだ。

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