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役に真摯に向き合う当代一のカメレオン俳優

綾野剛

綾野剛(2016年)
綾野剛Getty Images

 日本の実力派俳優として必ず名前が挙がるのが綾野剛だ。21歳で『仮面ライダー555』(2003)で俳優デビューを果たすも、ブレイクまでに少なからずの期間を要した綾野は、意外にも苦労人だ。

 大きな注目を集めたのは29歳の時に出演したドラマ『Mother』(2010、日本テレビ系)だった。『Mother』で彼が演じた役は、当時子役だった芦田愛菜を虐待する人物だ。

 小さい子供に白い服を着せて口紅を塗るシーンは、綾野の演技によって何とも気味の悪いものとなった。その生々しい演技が話題となり知名度が急上昇。以降、役柄を広げ続け“綾野剛ブランド”を確固たるものにした。

 活躍を振り返ると、『コウノトリ』(2017、TBS系)では人々に感動を与える優しい医者を演じた。一方で、『日本で一番悪い奴ら』(2016)では、ガラッと空気を変え、薬物に手を出す悪徳刑事を見事に演じている。両者を見比べてみると、セリフの間、目つき、身のこなしなどすべてのレベルで、細心の役づくりをしていることがわかる。

 当代一のカメレオン俳優と呼ぶにふさわしい綾野剛。彼が今後どんな役を演じるのか。注目せずにはいられない。

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