外見から役を憑依させた名演技
松山ケンイチ
松山ケンイチの芝居を見ていると「本当に何かが憑依しているのではないか?」と思う時が多々ある。出演作には名作が多いが、失敗した時のリスクが大きい漫画原作の作品で軒並み高い評価を得ているのが強みだろう。
そんな彼のキャリアを振り返る上で、映画『デスノート』(2006)シリーズで演じたL役への言及は外せないだろう。
当時、まだ無名の俳優だった松山。同作のプロデューサーは後年、松山の外見はLとは似ても似つかぬものの、無名であるため観客に変な先入観を持たれない、という理由で撮影直前に松山をキャスティングしたと明かしている。
一世一代のチャンスに恵まれた松山だが、役づくりにも余念がなく、L特有の姿勢、喋り方など、繊細な部分まで徹底的にコピーし、自分のものにした。その結果、映画はスマッシュヒットを記録。目の肥えた原作ファンをも唸らせることに成功した。
『デスノート』の成功は、元々桁外れの実力の持ち主であった松山ケンイチに自信を付与したのか、そこからの活躍は著しいものだ。映画『デトロイト・メタル・シティ』や映画『珍遊記』で演じた、底なしの明るさを持つコメディリリーフという役回りも素晴らしくハマっていた。
最近では、ハリウッド作品の吹き替えで声優の仕事も精力的にこなしている松山。俳優としてハリウッド進出する日も遠くないかもしれない。
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