ゆるふわ系イケメンが世の女性を中毒に
中村倫也『半分、青い』(2018)
中村倫也【Getty Images】
遅咲きの俳優として知られる中村倫也。彼も朝ドラへの出演をきっかけに、自身の俳優キャリアに拍車をかけた役者の1人である。彼の運命を変えた作品の名は『半分、青い』である。
2018年に放送され、片耳難聴をもつヒロインを永野芽郁が演じた本作。障害のある主人公を描くことが、朝ドラとしても初の試みだったこともあり大きな話題を集めた。
当時の中村は31歳。本作で中村が演じたのは、ゆるふわ系イケメンの朝井正人だ。朝井を演じる中村の、愛おしいマイペースな性格、とろんとした甘い声に“沼った”人が続出。魅力あふれるアンニュイなキャラクターは、中村倫也という俳優の真骨頂でもあり、彼の長所が存分に活きる役だった。
実は、『半分、青い』で当初注目を集めていたのは、永野が演じる・鈴愛の幼なじみ・萩尾律を演じた佐藤健であった。当時、30歳の佐藤の実年齢とはかけ離れた役柄だったものの、違和感を残すことなく好演した。
しかしその後、世間が佐藤へ寄せる期待と同等か、それ以上の活躍をみせたのが中村であった。中村演じる朝井が、佐藤演じる萩尾の同級生として登場すると、そのおっとりとした優しい雰囲気に心を奪われる視聴者が後をたたず、自ずと、演じ手である中村への注目度も高まることになる。
それから「まぁくん」の愛称で親しまれ、ドラマや映画に引っ張りだこの俳優となったのは、周知のとおりだ。
日本を代表する名優がブレイクするきっかけとなった『半分、青い』。中村の今の活躍を知った上で見直すと、新たな発見があるかもしれない。