西園寺さんは令和のサザエさん?
元々は楠見親子と距離を置いて生活しようとしていた西園寺さん。それが楠見の慣れない育児ぶりにヤキモキ…。仲良くしようとバーベキューセットを突然買ったり、自分の洗濯機やキッチンを使ってもいいと言い出したり、お節介ぶりが全く止まらない。いや、放送回ごとに加速している。
その姿を見ていると、何か既視感がある。誰かに似ている。誰だろう。
思い出したのが、あの国民的ご長寿アニメの『サザエさん』(フジテレビ系)の主人公だ。時代、設定は違えど、両者、愛されぶりは似ている。
まずは先述の“お節介ぶり”。西園寺さんは記述の通りだが、サザエさんのお節介ぶり(世話好きとも言うけれど)は、日本中が知っている。お節介という言葉が彼女を表す、代名詞のようなものである。
商店街を買い物がてら毎日のように闊歩して、何か困っている人がいたらすぐにレスキュー。おばあさんが倒れていたら、サザエさんはきっとおんぶして病院に担ぎ込む。
そしてサザエさんと西園寺さんは“ドジっ子”。2人とも人の世話をつい焼いてしまうが、毎度失敗も伴う。例えば西園寺さんは第3話では、喪服を忘れて静岡県に出かけた楠見が困っているだろうと、レンタカーを借りて届けに行くパワーを見せる。が、楠見の義母に関係性を誤解され、その場の雰囲気を濁してしまう。
第4話で、楠見の娘のルカ(倉田瑛茉)の誕生日パーティーを自ら企画する。周囲から誤解されがちな楠見親子との関係性を、自宅に招待することで、ルカの友人にも保護者たちにも理解してもらおうと企画。
「全てを自分で用意する!」と決めたが、彼女は準備段階でくじける。どうも家事ができないことをうっかり忘れるほど勇んでいたのか、大苦戦…という事態に。ただそんな様子も愛らしいのは、人柄の良さがテレビ画面に滲み出ているのだろう。
サザエさんをパーフェクトに視聴しているわけではないので、詳細は控えるが、サザエさんといえば、買い物しようと町まで出かけると財布を忘れている、ドジっ子。
うっすら覚えている放送回で、子どもたちを連れて呼ばれた家で、ジュースをこぼさないようにタラちゃんの膝にハンカチをかける。が、その拍子に自分の肘がグラスに当たり、結局ジュースをサザエさんがこぼすという一幕があった。同じことを西園寺さんが見せても納得の図だ。