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キャリアの初期はイジメっ子役でその名を轟かせた

「女王の教室」「GTO 2014」出演の伊藤沙莉

伊藤沙莉【Getty Images】
伊藤沙莉【Getty Images】

 “朝ドラ”の主人公として存在感を強める伊藤沙莉。現在の大躍進の陰には、子役時代から積み重ねてきた経験値が生きていることは間違いない。視聴者の印象に残った最初の作品は天海祐希主演ドラマ『女王の教室』(日本テレビ系、2005)だろう。悪魔のような鬼教師・阿久津真矢(天海)と、彼女に立ち向かう神田和美(志田未来)を中心とした生徒たちの1年間の奮闘を描いた物語だ。

 この作品で伊藤が演じた田中桃は、イジメの主犯格でこそないものの、存在感を示す。印象的なのはやはり、彼女の声。小学生にしては珍しい低いハスキーボイスが場に緊張感を与える。現在よりもすっきりとしているように見える目元が、表情の冷たさを増幅させていた。

 その後、伊藤はAKIRA主演のドラマ『GTO 2014』(カンテレ)に楠見加奈子役で出演。加奈子の面白いのは、陰湿でありながらもお調子者の延長のような存在であったこと。クラスの中で目立っていて、声の大きな数人の生徒というリアリティ。

 やっていることは相当ひどいのに、仲間たちとの独特な口調がポップに作用する。それがスベることなくしっかりと怖さをしっかりと醸成しているのだから、これぞまさに伊藤沙莉の演技力の賜物と言えるだろう。

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