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墓を投げてトレーニング!? 抱腹絶倒のナンセンスアクション映画

『RIKI-OH/力王』(1991)

©中山奈々恵

写真:NANA

――続いてご紹介いただくのは、日本のアクション漫画『力王 RIKI-OH』(鷹匠政彦原作、猿渡哲也作画)を原作とした香港映画『RIKI-OH/力王』です。

「これは、10年以上前に、ネットで知り合ったとある漫画家に教えられた作品です。ぼくは映画をあまり見ないんですが、この作品はドンピシャでした」

――アクション映画のようですが、レビューを見ると、結構グロ描写が多いみたいですね。

「グロイのかな? ぼくとしてはオモシロの方が勝っちゃってるんですが(笑)。登場人物がとにかくモロくて、首を優しく触っただけで目玉が落ちたりするんですよ(笑)。で、そこにカラスが群がるんですけど、何そのシーン!? みたいな(笑)」

――めちゃくちゃですね(笑)

「そうなんですよ。あと、墓地で墓投げてトレーニングをしたり、人が直立状態で人が倒れるときだけ木の人形になったり(笑)。

それから、負けた敵が自分でお腹を割いて腸を引きずり出して、主人公の首にくくりつけるっていう最低のシーンもありました(笑)。アイツ、エンタメの悪役の中で一番嫌いですね(笑)」

――(笑)ちなみに、どんな物語なんですか?

「囚人の力王が刑務所にいる四天王たちを倒して刑務所を脱走し、色々あって最終的に元ざやに収まるという話なんですけど、「色々あって」が本当に色々ありすぎるんですよね(笑)。

しかも、途中で力王が刑務所の壁を殴って外に出るんですが、それできるなら最初からやれよ! って(笑)」

――今までの展開がほぼ無駄になるという(笑)。

「そうなんですよ。細部に至る意味のないこだわりが本当に最高の作品ですね(笑)」

――展開自体のナンセンスさは、ぼく脳さんの作品にも通じるものがありますね。

「確かに、『結・転・結』みたいな、4コマの起承転結にも満たないスピード感は、ぼくの漫画に近いかもしれないですね。

ただ、ぼくの作品は全部言葉ありきで、自分では挿絵つきの小説だと思っているんですよ。一方『力王』は、字幕なしで見たんですが、言葉がむしろ邪魔なくらい、画の強さだけで勝負しています。その点は、ぼくが憧れているハリウッドザコシショウに通じる部分がありますね。というかこれ、有名な作品なんですか? (笑)」

――有名ではないですね(笑)。ただ、一部でカルト的な人気を博しているようです。

「そうなんですね。ちなみに、監督さんは有名な方なんですかね? 一発屋ですか? 一発も当たってない気もするけど(笑)」

――結構色々な作品を撮られているみたいですね。ちなみに、『RIKI-OH/力王』の後に一本だけ『猫』っていう映画を撮っているようです(笑)。

「ちょっとオシャレっぽいですね(笑)。というか、よくよく考えたら『力王』っていうタイトルもヤバいですよね(笑)。絶対負けるわけがないっていう(笑)」

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