圧倒的な大物感。今最もキテいる女優の1人
河合優実
次にヒロイン候補として挙げるのは、河合優実だ。若い頃の山口百恵や中森明菜のように、まだ20代前半とは思えぬ落ち着きがあり、言葉では表せない唯一無二の世界観を持つ河合。阿部サダヲ主演のドラマ『不適切にもほどがある!』(以下、『ふてほど』/2024年、TBS系)で昭和の女子高生役もぴったりだった彼女は今、最もキテいる役者といえるだろう。
だが、もともと河合はその高い演技力によりミニシアター系の映画ファンから絶大な支持を受けていた。驚くべきは、受賞数の多さ。2021年・2022年には『サマーフィルムにのって』と『由宇子の天秤』での演技が高く評価され、ブルーリボン賞をはじめ国内の新人賞を総なめにした。今年6月に公開された映画『あんのこと』でも社会から断絶された少女の人生を凄みのある演技で体現しており、実力は同い年の役者の中でも群を抜いている。
演技の幅も広く、重厚感のある作品はもちろんのこと、『ふてほど』のようにコメディもお手の物。2000年生まれなのに昭和の時代設定にも違和感なく馴染み、当時の女子高生をリアルに演じた河合は、『ばけばけ』で明治から昭和の時代を生きたヒロイン役も難なくこなせるだろう。
また、河合は2025年4月から放送される朝ドラ『あんぱん』にも出演することが決まっている。河合がキャスティングされたのは、今田美桜演じるヒロイン・朝田のぶの真面目でしっかり者の妹・蘭子。『花子とアン』で黒木華の妹役を演じた土屋太鳳、『とと姉ちゃん』で高畑充希の妹役を演じた杉咲花など、ヒロインの妹役を務めた俳優がのちにヒロイン役で朝ドラにカムバックするケースもある。
もし河合が『ばけばけ』のヒロインに選ばれたら2作品連続での朝ドラ出演となるため、可能性は低いかもしれないが、今回に限らずいつか朝ドラの主演を担う日がくるかもしれない。