現代AI技術の先駆け作品。今後、直面する問題の予見も…?
『2001年宇宙の旅』(1968)
製作国:アメリカ
上映時間:142分
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック、アーサー・C・クラーク
出演者:ケア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター、ダグラス・レイン
【作品内容】
月の地中に謎の石碑が発掘されたことがきっかけで、宇宙評議会のフロイド博士(ウィリアム・シルベスター)は調査を開始する。
その18カ月後。最新型人工知能「HAL(ハル)9000型コンピュータ」を搭載した宇宙船ディスカバリー号に、デビッド・ボーマン船長(ケア・デュリア)、フランク・ブール(ゲイリー・ロックウッド)を含む5人が木星探査に向けて出発するが…。
【注目ポイント】
名匠スタンリー・キューブリック監督が、作家アーサ・C・クラークと手を組んだSF映画である。1968年製作の本作は、33年後の2001年を描いているが、2024年現在の世界を予見したかのようなガジェットがいくつも登場する。
宇宙船内で使用されている声紋認証は、スマートフォンやタブレットですっかりお馴染みであり、フロイド博士が子供とビデオ通話で会話するシーンは、zoomの先取りだ。
また、宇宙船ディスカバリー号を運転するのは、高性能対話型の人工知能「HAL9000」。現代のAI技術である。
物語のラストでHALは人類に反旗を翻すのだが、このシーンは、AIと付き合っていく上で、今後人類が直面するかもしれないアクチュアルな問題を映し出しているように思えてならない。
「やあHAL、調子はどうだい?」「どうも エイマーさん。快調ですよ」
これはHALと人間の関係が、まだ友好的だったときに交わされた会話だ。後半の反乱シーンを観てから、このやりとりを見返すと、妙に背筋が凍る感覚を覚えるのは私だけだろうか?
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