コントの役作りの参考にしている作品
『アダムスファミリー』(1991)
ーーー何となく、刺身さんらしいセレクトの作品だと思いました。
「子供の頃に観て、当時車のCMでもキャラクターが出ていて、なんか心に残っていたんです。大学時代に不意に思い返して、見返してみようと思ったんですね。でも、レンタルショップに行ったら、権利の問題なのかわかりませんが、ビデオ化されていなかったんです。何年後かにTSUTAYAでレンタル化されて、ようやく再び観ることができました」
ーーーそんなヒストリーがあったのですね(笑)。
「あ! そういえば、TSUTAYAと言えば、サブスクでは観られない北野武映画を借りたくて、渋谷のTSUTAYAに行ったら、それこそ『サブスクでは観れないコーナー』というのがあって、同じような気持ちの人たちが殺到したのか、ほぼレンタル中でしたね(笑)。なんとか、『アウトレイジ』(2010)が見たくて、中野のTSUTAYAで借りましたが」
ーーーそんなことが(笑)。
「話を戻しますね。改めてこの映画を観た時に、めっちゃコントっぽいなと思ったんです。要はこのアダムスファミリーという、お化け一家は普通が普通じゃないというか、気持ち悪いことが普通みたいな感じが、すごくシュールで。
印象的なシーンで言うと、学校の文化祭で先生が、アダムス家の長男・パグズリー(ジミー・ワークマン)のお母さん(アンジェリカ・ヒューストン)に『彼、こんな絵を描いたんです』と伝えるんです。その絵は、人の手がぶっ飛んで血が吹き出しているような残虐なものなので、お母さんが泣いたのを見て先生が同情するんですが、実はお母さんは息子の成長を喜んで泣いていたという展開だったんです。子どもの頃は、なんとなく観ていましたが、大人になってからは『お笑いの飛び方』として学びました」
―――本作は少なからず、ご自身のお笑いに影響を与えている部分があるのでしょうか?
「めちゃくちゃありますね。自分がコントをやるときに、そのスタイルを取り入れて、自分のキャラクターを作る際の役作りに参考にしています」
―――特に好きなキャラはいますか?
「ハンドっていう、文字通り、手だけのキャラが好きです。なんか可愛くて。あと、芸人仲間に『アダムスファミリーが好きだ』というと、『また、そんなサブカルぶって~』とかって言われるんですけど、本当に好きなんだって!! と、この場を借りて言わせてもらいます(笑)」