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瀬戸康史の“沼る魅力”とは? 夢中になる視聴者が続出するワケ。俳優としての唯一無二の強みを徹底解説

三谷幸喜監督最新作、映画『スオミの話をしよう』で、西島秀俊扮する刑事の部下で、スオミの行方不明事件を捜査する小磯杜夫(こいそもりお)を演じる瀬戸康史。今回は、日本映画界、ドラマ界に欠かすことのできない存在である瀬戸の役者としての魅力を、これまでの出演作を分析しながら、徹底解説する。(文・かんそう)

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【瀬戸康史(せと・こうじ)プロフィール】

1988年生まれ、福岡県出身。2005年デビュー。

舞台『関数ドミノ』にて第72回文化庁芸術祭演劇部門新人賞、映画『愛なのに』にて『第44回ヨコハマ映画祭』主演男優賞を受賞。

近年の出演作は、映画『愛なのに』、『違国日記』、ドラマ『鎌倉殿の13人』、『院内警察』、『くるり~誰が私と恋をした?~』、舞台『笑の大学』など。

堤真一と初共演となる二人芝居、舞台『A Number―数』が上演中。映画『スオミの話をしよう』が公開中。
舞台『A Number―数』公式サイト
映画『スオミの話をしよう』公式サイト

変幻自在の俳優・瀬戸康史の魅力

瀬戸康史
写真:武馬怜子

「瀬戸康史 ああ瀬戸康史 瀬戸康史」という俳句があるように、瀬戸康史の魅力を言葉にするのは夜空に輝く星を数えるほど困難だ。

 それでも瀬戸康史をあえて一言で表すのなら、私は「雲」の漢字を選ぶだろう。瀬戸康史は役によってその姿形をガラリと変える。それが俳優・瀬戸康史の最大の魅力であり、恐ろしさだと私は思っている。

 瀬戸康史を見る人間一人ひとりの中にそれぞれ、まったく違う瀬戸康史が存在しているのだ。仮に瀬戸康史ファン100人に「瀬戸康史のイメージは?」とアンケートを実施した場合、綺麗に100通りの答えが返ってくるだろう。それほどまでに「瀬戸康史」という俳優を、人間を我々は掴み切ることが出来ない。

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