リアリティを増していく“しんどい演技”
ここ数年、若者を中心にして頻繁に使われる「しんどい」とはネット辞書で調べると「ひどく疲れを感じるさま」「肉体的・精神的な負担を感じ、その負担が長く続くのは、いやだと感じられるさまを表す形容詞」とあった。なるほど。
『海のはじまり』のスタート前、彼女が痩せているとファンが気づいた。働きすぎかもしれないし、30代前半の女性なんて公私ともども悩みだらけだ。が、10代で女優を志して、一度はダイエットを命じられたこともある彼女。それが2014年以降はほぼ休まず、作品に出演し続ける所属事務所の看板女優となった。
本日に至るまで10年以上も突っ走ってきたら、そりゃ疲れるし、しんどい演技にリアリティも増す。2023年、彼女は映画ネット媒体のインタビューでこう話す。
「20代はお仕事のために生きてきて、自分がお仕事を頑張れば、周囲のみんなも幸せになれるはずだと、その人たちのために頑張っているようなところがありました。ただここ2年くらいは、そろそろ自分自身の幸せについて考えてもいいのかな」(クランクイン!/2023年2月)
いい、いいよ。有村さん、そろそろ安寧の場所を確保してください。
(文・小林久乃)
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