『大豆田とわ子と三人の元夫』から見せていたひねくれた男性像
結婚がうまくいかない男の役の片鱗は2021年放送の『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)の、中村慎森役あたりから漂っていた。とわ子の三番目の夫で、弁護士で顔もいいのに、どうも難癖が強く、ひねくれている。明らかに友達は少なそう。
「うん、他人だね。関係ないね。清少納言とステーションワゴンくらい関係ない」
たった一言「関係がないから」で完結できず、余分なことばかりを言う。それでもとわ子が好きで、離婚をしたくなかったのは慎森のほうだったと記憶している。いくら顔が岡田将生でも、慎森のいいところを探すのは大変そうだ。
今年6月に配信となった『1122 いいふうふ』(Prime Video)で演じた、相原二也(おとや)は、こじらせ夫の代表のような存在だった。
二也は妻・一子(高畑充希)の前ではべらぼうに優しく、気の利き方が半端ない。なのに夫婦生活を拒否されたことを理由に、妻公認の浮気をしている。結局この不貞行為も局部に剣山を刺されるという、超・斬新な手法で終焉を迎えるのだが、妻が風俗に行ったと知ると、ショックだと家出をする。それでも最終的には離婚をしても、一子が好きだと言い張る。
行動を総括すると、非常に面倒な夫なのである。繰り返すが顔が岡田将生だから許されるけれど、勝手に悩んで行動を起こす、自己中心的な素行には嫌気がさすだろう。私でも剣山をどの部位にぶっ刺そうか考えるかもしれない。でもそういう特性の夫に対しては、一子のように器量の大きい妻が存在するので、夫婦の縁とは本当に不思議だ。