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1歩間違えば笑えないライン!?

『フレンチアルプスで起きたこと』(2015)

サルゴリラ
児玉智洋 写真Wakaco

―――コアな映画が出てきましたね。児玉さんにセレクトしてもらった作品ですが、観たきっかけなど教えてください。

児玉「この映画は、ピースの又吉直樹さんに教えてもらいました。僕、又吉さんと一緒に住んでいた時期があったのですが、家で一緒に観たところ、海外でこんなにコントみたいな映画があるのかということに、まず、びっくりして。純粋に好きな笑いのスタイルが描かれていましたね」

―――どんなスタイルなんでしょう?

児玉「ちょっと日本のお笑いっぽいんですよね。主人公であるお父さんが家族で旅行にいくのですが、スキー場のゲレンデの外で食事をしていたところ、軽い雪崩が起きるんです。そしたら、お父さんは家族を置いて逃げてしまって。

お母さんと子供は無事だったんですが、その後、当然、家族間の雰囲気がギクシャクしてしまい、楽しいはずの旅行が、それどころではなくなってしまうんですよ。お父さん、何、真っ先に逃げてんだよって(笑)」

―――確かにそれはコントっぽいですね。

児玉「1歩間違えば笑えないラインを、いい塩梅で突いてきているところが、コメディとして優れているなと」

赤羽「僕、この映画観たことがないので、今回の取材で先に映画のタイトルをお互いに挙げたときに、なんか、社会問題的な映画かと思っていまして。『あ、トモ、ちょっとかっこつけた!』と思っていたんですけど、そんな映画だったんだ(笑)」

児玉「かっこつけてないよ。普通に笑える映画だよ(笑)」

赤羽「僕も、以前、又吉さんに勧められて観て、すごく面白い映画がありまして。何てタイトルだったかな…。44歳で実家暮らしのモテない男の映画なんですけど…(スマホで調べ始める)」

赤羽「あ、『44歳 実家暮らし』で調べたら、僕が出てきちゃいました(笑)」

児玉「何、やってんだよ!(笑)」

―――アハハ! 話を戻しましょう。児玉さんは又吉さんと一緒に住んでいた時期に、家で映画をよく観ていたのですか?

児玉「そうですね。一緒に観ていると、又吉さんは、僕にはわけのわからないタイミングで笑うんですよ。ただ、今、こうなってこうなったと、何で笑ったのかポイントを解説してもらえるんで、すごく助かるんです」

―――それは、この上ない贅沢な副音声ですね(笑)。

児玉「あまり、ちゃんと観ていなくても又吉さんの解説で、大体わかります(笑)。僕、難しい映画がダメなんですよね。でも本作は、又吉さんの解説がなくても素直に面白かったので、今回、挙げました」

赤羽「…あった! 40代で童貞の人が主人公の映画は『好きにならずにいられない』(2016)でした! この映画は、僕を描いた映画です(笑)」

児玉「まだ、検索してたのか(笑)。俺が好きな映画の話、関係なくなってんじゃねーかよ!」

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